2011年7月28日、任天堂が2012年3月期の業績予想を大幅に下方修正しました。為替の円高ももちろん影響していますが、なにせ、ハードもソフトも売れていません。
そして、同時に発表された『ニンテンドー3DS』の価格改定。販売価格を8月1日より25,000円→15,000円に値下げするというものでした。
これには誰もが驚いたことでしょう。
任天堂が『ニンテンドー3DS』の値下げを発表したは7月28日の16時だったのですが、直後に僕がTwitterで値下げの事実をツイートしたところ、たった1時間で2000を超えるリツイート(公式RT)がありました。それほどサプライズなニュースだったわけです。
2月の発売開始からわずか半年で1万円も値下げを実施するというのは、岩田社長をはじめ任天堂にとって苦渋の、そして悔しい選択だったに違いありません。
ハードを売るためには、面白いソフト、つまりはそのゲーム機ならではの魅力的なゲームソフトが充実している必要があります。
実は、任天堂が公表した決算資料の中に重要な数字が隠れていました。
2011年4~6月の3ヵ月間で、全世界での販売本数が100万本を超えた任天堂のゲームソフトはわずか3タイトルだけ。
DSの「ポケットモンスター ブラック・ホワイト」(136万本)、3DSの「ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D」(108万本)、Wiiの「マリオカートWii」(122万本)でした。
では、1年前の2010年4~6月はどうだったのでしょうか。
DSの「ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー」(169万本)、Wiiの「スーパーマリオギャラクシー 2」(409万本)、「Wiiスポーツ リゾート」(302万本)、「Wii Sports」(273万本)、「Wii Fit Plus」(187万本)、「New スーパーマリオブラザーズ Wii」(110万本)
というように、去年と比べて売れたソフトの数が圧倒的に減っています。
上記は任天堂のタイトルに限ったものですが、2011年4~6月は200万本を超えるゲームソフトが1つもなかったのはなんとも寂しい結果です。
また、売上の9割を海外に依存している任天堂ですが、これにはもちろん為替の変動が大きく影響してきます。
公表された資料によると2011年4~6月の為替レート(期中平均)は、1ドル=81.74円(前年同期は92.01円)、1ユーロ=117.40円(前年同期は116.99円)とのことです。
こう見てみると、ユーロの価格は去年と今年では大差がなかったんですね。今年は特に円高・ドル安による売上高の減少が業績に響いたのだと思われます。
任天堂の決算内容はこちらをご覧ください。
任天堂【7974】、4-9月期一転、経常赤字に転落へ
『ニンテンドー3DS』の値下げ発表と同時に、11月に「スーパーマリオ3Dランド」を発売、12月には「マリオカート7」を発売することが明らかになりました。
まだゲーム画面を見ていないので判断はできませんが、タイトルからはかなり期待できそうな気がします。
基本無料のソーシャル・ゲームの勢いが増す中、6月に任天堂は2012年中の発売を目指している「Wii U」を発表。翌日の株式市場の反応は冴えないものでしたが、「ファミコン」に始まり、DSの「脳トレ」や「Wii」のように次々とユーザーの心をつかんできた任天堂のゲームが、これでゲームオーバーにならないよう応援していきたいと思います。
■『ニンテンドー3DS』