iPhone・iPad

夏野剛さん、「スマートフォン&ソーシャルメディア最新事情」!企業、マスコミは間違っている!

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2011年10月1日、東京国際フォーラムで開催の「バリューコマースEXPO 2011」で、夏野剛さんの講演を聞いてきました!
タイトルは「スマートフォン&ソーシャルメディア最新事情」

natsuno

夏野さんは、冒頭から企業やメディアが言うスマートフォンの概念は間違っている!と指摘するなど、かなり過激な様子で講演がスタート。
さまざまな企業の取締役と務めながら、慶應義塾大学の政策・メディア研究科特別招聘教授である夏野さんは、今日は大学教授の立場で、ニュートラルで語ります、と序盤からかなり飛ばしていました(笑)
講演は非常に充実した内容でしたが、録音・写真撮影が禁止となっていたため、僕がメモできた範囲内でご紹介しますね。

インターネットによる情報収集力と発信力

ネットを使うことによって、これまでにないくらい情報の収集能力が向上。それは3月11日の東日本大震災で特に認識された。
政府が福島第1原子力発電所に異常が生じたと発表する前から、Twitterでは一般の人が放射線量の変化に気づいてTwitterへツイートしていたなど、Twitterではとっくに情報が出ていた。実際は、政府よりも一般人の方が情報が早くて正しかった。
情報収集力の上昇と共に、情報発信力が上がったのは、インターネットの力だ。それを活用できてない人や企業がまだまだいる。

情報ツールとしてのスマートフォン

やはり、これからはクラウドが重要。
流行り言葉のようにクラウドを推進しつつも、社内で社員がGmailや2ちゃんねる、Twitterなどにアクセスできない会社とかありえない。経営陣がクラウドをわかっていない証拠。
ノートパソコンを会社の外に持ち出したらダメとか、ありえない。
USBメモリを禁止してる会社もあるが、iPodとか音楽プレイヤーを禁止にしてないって、理解してない証拠だ(USBメモリのように使える)。
情報システム部とベンダーは信用したらいけない。クラウドを誤解してる。

【クラウド】
■ネット上にすべてのアプリケーションが移行

  • パッケージソフトは不要。
  • 固有型から共有型が前提に。
  • 複雑系的知識ネットワークの現実化。いろいろな人とアイディアなど共有することで高まる。

■ネットワーク型からオープン型へ

  • オープン型、共有型による知識革命の推進
  • 社内snsとかありえない。

■セキュリティ革新する必要性

  • クローズド型でセキュリティを守りすぎると知識革命の波に乗り遅れる危険性がある。

デバイスフリー

これからのサービスは異なるデバイスからアクセスが来る可能性を前提にしないとダメ。
接続端末に特化したサービスは衰退するだろう。

iPadは素晴らしい。
生活が激変した。iPadとガラケーの組み合わせが最強。スポーツクラブに行くときだけはiPhoneを持っていく。
子供たちがPSPとDSを持って集まったとき、最終的にはiPadばかりで遊んでいた。
ケータイ部署とかスマホ部署なんて分けてる会社があるが、パソコン、ケータイ、スマホは全部同じ部署が担当しないとダメ。分けて考えるのはダメ。

スマートフォンについて

■スマートフォンとは?(一般論)
タッチパネルは便利。iPadは操作性がいい。ユーザーインターフェース革命。
ただし、最近のガラケーは余計なタッチパネルが付いている。
iPhoneが究極のガラケー。iOSはAppleにしか乗ってない。
アプリがダウンロードできるというのは、ガラケーでもできる。
つまりマスコミがいう、タッチパネルで、アプリがダウンロードできて、汎用OSっていうのは、スマートフォンの定義ではない。

■スマートフォンはPCの延長
ネット接続が主機能で、音声は副機能。
でも、ガラケーは音声(電話)が優先に作られてる。バッテリーがなくなりかけると、どうにかわずかに通話できるように、他の機能は全部落としてしまう。余計なお世話的な機能。
ガラケーはGPSもオンにするかどうか聞いてくるのがウザい。ケータイを買った直後は、便利なGPS機能がオフになっている。
ただ、一方で、GPSのオン・オフなどわかんないものは勝手にオンにしておけっていうAndroidの自由なやり方が、逆に『カレログ』のような問題を引き起こした。Androidは絶対にダメ。セキュリティはパソコンの延長上。
また、スマートフォンは高速回線が前提。

■世界でスマホが普及した理由
インターネットにつながって、メールができる。
昔、海外のケータイはメールもできなかった。Webは論外。ブラックベリーの登場でできるようになった。そして、iPhone。
2000年代前半に日本で起きたことが、海外では遅れてようやくスマホで起きている。

■日本では
ガラスマが登場。おサイフケータイ、ワンセグがついてる。
iPhoneがすべてのベンチマークだが、機能的には不足。
パソコン技術でケータイが作れるようになった。通信チップ入れればなんでも通信できるようになった。Appleのように、ケータイ会社じゃなくてもケータイを作れる。

スマートフォン業界

■業界の進化は通信業界からネット業界主導へ
サービスの進化はAppleとGoogle。
主導権を失った端末メーカー。キャリアメーカーは主導権を放棄。

ユーザー利益の最大化の流れ。ユーザーが求めるものを徹底的に追求する進化スピードへ。
一方で、ネットワーク効率は軽視。スマートフォンの普及で、今後はどんどんつながりにくくなる。

世界の一体市場へ。
ネットに接続する人が増え、ネットに接続している時間も確実に増えるだろう。進化スピードが加速。

ビジネスモデル

■ビジネスモデルの正しい理解が必要

  • 日本の通信キャリアは、ガラケーのパケ放題よりもスマホの方がパケ放題が高い。キャリアはそこで稼いでる。逆に、コンテンツのインセンティブはごくわずか。
  • GoogleのAndroidは、アカウントのアクティベートで業績評価。端末を買ったら必ず最初にGoogleにログインする。Androidの端末が増えると、検索サイトの利用者が増えるのが旨み。iPhoneは最強のGoogleケータイと思っている(笑)
  • Appleは、端末に加え、コンテンツも売ってる。

つまり、Googleはネット端末の普及による検索利用者の増加を、また、Appleは端末の普及を狙ってる。両社はそこで勝負してる。
つまり、OSでは勝負してない。

モバイルとパソコンの実質完全融合

iPadなどタブレットの登場で、今後はほとんどパソコンを使わなくなるだろう。
ブラウザでできるいろいろなサービスが増えれば、端末の違いがなくなる。それはHTML5対応で進化する。
また、ケータイキャリアの存在感は薄くなるだろう。

ケータイやパソコンはタッチで操作できるのに、なぜテレビはタッチで操作できないのか。
3歳の娘は液晶テレビのAQUOSを指でスワイプして操作できないことに疑問を持っている。

良いサービスは海外で勝負できる。特にモバイルは日本が世界に先行してる。
我々の未来は明るい!がんばろう!

夏野さんの講演のうち、3分の1程度はiPadは素晴らしい!という内容でした(笑)
生でお話を伺うのは初めてだったのですが、辛口ではあるけどとてもユニークな話し方で、最後まで話に引き込まれていきましたよ!もっと話を聞きたいくらい!!

スマートフォンのダメな点として、バッテリーの持ち時間が短いことを何度かおっしゃっていました。端末メーカーは、バッテリーがなくなったら充電すればいいという考えをなくすようにと。
また、家電量販店ではスマートフォンよりも、隣にあるらくらくホンの方が高いのはおかしい、とも指摘していましたよ!確かにそうだ!

夏野さんは、iPhoneもiPadもすぐに購入して、その素晴らしさを実感しているとのこと。
ただ、スマートフォンが普及したからって企業はスマートフォンに力を注ぐだけでなく、パソコンやガラケーと一緒にスマートフォンへの対応が必須と述べています。デバイスフリーで、ネットにつながればどこかれでも誰でも同じサービスが受けられるように整える必要があると。
これは、企業だけでなく、政府や地方の公共サービスにも言えることですし、僕たちブロガーも気を付けなければならない点です。

今回、夏野さんの講演ではいろいろなことを気づかせたいただきました。難しいと思った人は、とりあえずiPad買いましょう!!

Twitterやってない人は、Twitterもぜひ始めると良いですよ!
僕のTwitterアカウントは、@asuka_xpです!

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