ThinkPadって聞くと、めちゃくちゃビジネスパソコンという気がしますよね。スーツを着こしなたビジネスマンがカフェや電車の中であの真っ黒で角ばったデザインのThinkPadをいじってる様子は、“仕事できるオーラ”を漂わせます。
そんなThinkPadのお話をいろいろ聞いてきました!
ビックリしたのが最後の質疑応答のとき。
最近、世間を騒がせている「Eee PC」などのネットブックについて、
レノボでも低価格PCを投入したいと同社の原田さんが発言したことです。
Eee PCというと約5万円、イーモバイルセットで1円から販売されている激安ノートPCですが、これにレノボも参入するかもしれないというのです!
果たして、そんなことが可能なのでしょうか?
ThinkPadは昔からほとんど変わらない黒で箱っぽいデザインで、これを見ると誰もがThinkPadとはこういうものだ、と覚えてしまうほどインパクトのあるノートPCです。
そして、キーボードの打ちやすさや、本体の堅牢性は他社のノートPCを圧倒しています。
液晶ディスプレイを曲げてもパネルのガラスが割れない、落としても本体が壊れにくい、ハードディスクを守るための構造がすごい、などさまざまです。
P社は軽くてバッテリーが長持ちで丈夫な本体を売りにしてますが、それもThinkPadと同じ“拷問試験”を行うと、太刀打ちできません。
“Roll Cage”と呼ばれるレノボの技術、マグネシウム合金で基盤を守り、外からのストレス(負荷)を40%削減しているのだとか。
僕が5年前に秋葉原のPCショップでバイトしていたときも感じたのですが、ThinkPadのキーボードはデスクトップのどのキーボードよりも打ちやすいと思っています。ノートPCなのに、キーを押した感触や、押してから戻したときの感触が非常に心地いい!!それは、押しやすいようにキーキャップを深めに作っているとこが1つの要因のようです。
キーボード博士
ちなみに、本体底のゴム足は“猫の肉球”、静かで冷却性能抜群のファンは“フクロウの羽根”からヒントを得て開発したんだそうです。
また、ビジネス用途だけでなく、先日の北京オリンピックや国際宇宙センター・スペースシャトルでもThinkPadは使われているんです!
五輪限定モデルの赤いThinkPad
それらThinkPadの“開発”は、意外にも日本の大和事業所で行われています。
実は、米IBMのPC事業を中国のレノボ・グループが事業買収したのが今のレノボなのですが、本社は米国にあるにもかかわらず、ThinkPadの開発拠点は日本にあるのです。また、デザインは別にあり、広告などは中国の拠点で行われているのだとか。
このように、レノボは世界のさまざまなところに本社機能を分散させている珍しい企業です。
今後、レノボは今まで手薄だった店頭でのPC販売を強化し、ビジネス向けだけでなく一般向けにもThinkPadを広めていきたいとのこと。
オンラインショップでの販売や法人向け販売が多かっただけに、店頭で実際に手にとって確かめたいというユーザーにとって、これは嬉しいですね!
特に、アピールしたいであろうポイントの1つ、キーボードは触ってみないとその使いやすさは判断できませんしね。
格安PCに対抗して、同じようなスペック、同じような価格のノートPCがどんどん増えてきましたが、ThinkPadは上記のような特徴を維持したまま低価格帯のノートPCを投入できるのか疑問に思います。
安くするからといって開発コストを削って、壊れやすかったり、キーボードが打ちにくくなってしまったら、それはThinkPadじゃありませんね。
個人的にはこのままの路線で、低価格競争には参入せず、ThinkPadはThinkPadらしい製品開発をしていってほしいと思います。
そして、お土産で貰った「赤いThinkPad」!!
ノートですけど(笑)
■昔採用されていたバタフライ型キーボード