米Googleは1月6日(日本時間)、OSに「Android 2.1」を搭載したスマートフォン「Nexus One(N1)」を発表しました。
Googleとしてはスマートフォンではなく、「Superphone(スーパーフォン)」と呼んでほしいとのこと。
すでにGoogleは販売を開始しておりオンラインで購入できるのですが、「Nexus One」を購入できるサイトに行くと、Googleのアカウントをお持ちの片はすでにログインしていることがわかります。
購入前から、Googleアカウントと連携しているのですね~!!さすがです(日本国内からは購入できないようになっています)。
多くのサイトやブログでは、すでにこの「Nexus One」を称賛する声が多く上がっています。
そんな「Nexus One」ですが、ちょっと冷静に考えてみましょう。
■バッテリーはどうか?
昨年12月から使用してきたレビューが書かれたTechCrunchの記事によると、
“最速でありもっともエレガントであり、多くの面ではっきりとiPhoneを上回っている。”
ということが書かれています。
ですが、
“欠点は消費電力が大きいことだ。…バッテリーの持ちはiPhoneと比べても心もとないレベルだった…ゲーム(Robo Defense)のプレイを続けて完全に充電したバッテリーを空にするのにわずか1.5時間”
と、バッテリーの持ちが非常に悪いことを上げています。待ち受け時間は「iPhone 3GS」が300時間に対し、「Nexus One」は250時間です。ただ、連続通話時間では「iPhone 3GS」が5時間に対し、「Nexus One」が7時間と長いです。(ともに資料参照)
iPhoneとは異なりバッテリーは取り外しが可能なので、予備のバッテリーを持っておけば交換できますがちょっと短いですよね。
■「Nexus One」はGoogle製じゃない
次に、「Nexus One」は台湾のHTC社が設計と製造を担当しています。HTC社はすでにドコモ向けにAndroidケータイを出しているあのHTCです。
GIGAZINEさんでは、Googleによる“自社製”と掲載されていますが、これは誤りです。
(https://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100106_google_nexus_one/)
ネタフルさんも。
(https://netafull.net/mobile/033143.html)
「Nexus One」はGoogleが開発に協力した、という表現が正しいかと思います。さらにつっこめば、後ほど書きますがGoogleはこれを販売するのが一番の役割となっています。
今後、ソニーや東芝、シャープなどからも「Nexus One」と同じOS「Android」を搭載したスマートフォン(もしくは“スーパーフォン”)が出ます。OSが同じならわざわざHTC社のを買うことはないですよね。ちなみに、日本語表示には対応しているけど、日本語入力には非対応です。
■「Nexus One」はエサにすぎない
今回、Googleが「Nexus One」を発売すると発表し、それがデジモノ系ニュースサイトなどによって大きく報じられたわけですが、これらの報道ではGoogleが携帯電話販売事業に参入したという本来もっと重要視するべき事柄が隠れてしまっています。
Googleはこの「Nexus One」を皮切りにAndroidケータイを携帯電話キャリアを通さず一般ユーザー向けにWebで直販し、通信サービスについてはユーザーが別途契約する形をとります。
Googleの販売サイトに行けばGoogleアカウントでログインできますし、そのアカウントで携帯電話を購入し、支払い方法もGoogle独自のものが用意されているようです。
日経によると、
“グーグルの電子メール会員情報や決済サービスを使って端末を購入でき、「顧客に携帯電話の新しい購入手段を提示する」”
とGoogle側は述べたそうです。
つまり、この「Nexus One」の投入をきっかけに、ユーザーを携帯電話販売サイトへの誘導し、Googleアカウントと決済、そして、携帯電話サービスをすべて紐付けてしまおうというのです。
Googleは「Androidマーケット」というiPhoneでいうAppStoreを用意しています。ゲームなどアプリを買うときに利用するのですが、アカウントと決済の紐付けが携帯電話購入時に完了してしまうため、アプリなどコンテンツ購入の際に生じる決済の壁を一気に取り払えることになります。
このあたりがGoogleのすごいところですよね。ユーザーが感じる煩わしさを一気に解消し、Androidケータイの利便性を高めてユーザーを惹きつける。そして、ユーザーの増加により最終的には携帯電話向けWeb広告での収益も伸ばせると。
Googleだけでなく、これは日本の携帯端末メーカーにもチャンスでしょう。Androidを搭載した端末を投入すれば、iPhoneに押されてきた状況を変えられる可能性が大いにあるわけですから。
■通信キャリアはドコモ?ソフトバンク?
「Nexus One」は日本での販売も検討しているということで、もし国内販売が決まったら、どのキャリア向けに販売されるのでしょうか。
ITmediaによると、
“通信方式は、初期のバージョンではUMTS/GSM対応となるが、Verizon Wireless向けにCDMA2000対応版もリリースされる模様。UMTS版は2100/1700/900MHzに対応しており、GSM/EDGEの 1900/1800/900/850MHzでの通信も可能。最大通信速度は下り7.2MbpsのHSDPAと上り2MbpsのHSUPAをサポートする。”
(https://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/1001/06/news014.html)
とのことです。
多くの周波数帯に対応しているので、1社だけでなく複数のキャリアで使用できる可能性もあります。
しかし、ソフトバンクは2009年冬~2010年春モデルの発表のときに孫社長が「アンドロイドケータイは春ごろに発売する」という話をされていました。同時に出されたプレスリリースには、実はソフトバンクが春に発売予定のAndroidケータイのスペックが書かれており、このスペックが今回発表された「Nexus One」にそっくりだったんです。
(https://www.softbankmobile.co.jp/ja/news/press/2009/20091110_04/index.html)
さらに、「Blog of Mobile!!~最新ケータイ情報~」さんによると、「Nexus One」はすでにTELECを通過し、電波周波数帯の関係でソフトバンク向けに発売されるのが現実的だとおっしゃっています。
(https://ameblo.jp/povtc/entry-10427991052.html)
一方のドコモはソニーエリクソン製のAndroidケータイ「Xperia X10」を春から夏にかけて投入することが決まっています。
このあたりを見ると、今のところソフトバンクが優勢と考えられますかね。
ただ、キャリアがソフトバンクと決まると、一斉に批判する人も出てくるでしょう。iPhoneもソフトバンクだからって買わない人もいますし。
買う・買わないは個人の自由ですので、本当に欲しい人は買った方がいいと思います。ここまで「Nexus One」のことを書いてみましたが、ガジェット好きな僕にとって「Nexus One」はとても魅力的なマシンです。
買うか買わないかはまだ決めていませんが、iPhoneを購入してから今に至るまでiPhoneが愛しくてたまりません。この感情や感動を「Nexus One」も与えてくれるのか、それは手にしてみないとわかりませんが、きっとそれに近いものを得ることができるのではないかと期待せざるを得ません。
■Google 公式の動画
https://www.youtube.com/GoogleNexusOne
■ソニエリ、アンドロイド「Xperia X10」ついったーまとめ【動画あり】
https://asuka-xp.com/50906708.html