矢野経済研究所の調査によると、オタク市場で2009年度に最も拡大したのは「恋愛シミュレーションゲーム」分野で、前年度比83.0%増の86億円になったそうです。
思い起こせば、ニンテンドーDS用ソフト「ラブプラス+」を買ってバーチャルの域を脱した遊び方をしている人もいましたし、ゲームだけでなく関連グッズや旅行業界までもがこのラブプラスに便乗し「ラブプラス現象」が起きましたね。
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そんなオタク市場ですが、世間では不況といわれるなか、とても健闘している市場です。
2009年度に拡大した分野をほかにも挙げると、以下のとおりです。
- 恋愛シミュレーションゲーム市場:前年度比83.0%増の86億円に
- 電子コミック市場:前年度比29.8%増の422億円に
- オンラインゲーム市場:前年度比17.2%増の2,131億円に
- コスプレ衣装市場:前年度比5.5%増の406億円に
- 同人誌市場:前年度比4.7%増の640億円に
- フィギュア市場:前年度比2.9%増の283億円に
- アイドル市場:前年度比1.9%増の542億円に
調査対象は、アニメ/コミック(電子コミック含む)/同人誌/プラモデル/フィギュア/ドール/鉄道模型/アイドル/コスプレ衣装/メイド・コスプレ関連サービス(メイド喫茶、コスプレ飲食店等)/オンラインゲーム/アダルトゲーム/AV(アダルトビデオ・DVD、ダウンロードコンテンツ含む)/恋愛シミュレーションゲーム/ボーイズラブ を扱う事業者や業界団体、とのことです。
また、矢野経済研究所は、
“「オタク市場」とは、一定数のコアユーザーを有するとみられ、「オタクの聖地」である秋葉原等で扱われることが比較的多いコンテンツを指す。なお、2008年版調査とは対象分野が異なるため、数値の比較は不可能である。”
と定義して調査したとのこと。
日本の有力な産業でもあるアニメやゲームなどは今、物凄くパワーのある分野ですよね。個人的に、アニメは1週間に放送されるタイトル数が昔よりも多い気がします。
また、同じアニメを見てる人がTwitterを通じて感想を言い合ったり、見ながら実況したりし、“みんなで見てる感”がアニメ人気を向上させる要因となっているようにも感じます。
従来、アニメを見たら翌日の学校などでクラスメートと前日見たアニメについて語ることが普通でしたが、今はそれをアニメを見ながらリアルタイムでできてしまう。その場で一緒に見ている感覚なのでしょう。
アニメなどで感想や時間を共有できるようになり、これまでとは違った楽しみ方ができるようになったことは実に大きなことだと感じました。
特に「けいおん!」は爆発的な人気となり、関連CDが音楽ランキングでトップチャートに入ったり、音楽配信が当たり前になった今の時代にCDが売り切れになるといった現象が起きたりと、もはや、アニメ関連CDは一般歌手をも脅かす存在となっています。
終わりに、こんなアンケート結果も公表されていましたのでご紹介します。
Q:「あなたは自分を『オタク』だと思いますか、もしくは人から『オタク』と言われたことはありますか」?
有効回答者10,487人のうち2,140人(20.4%)が「はい」と回答。
【資料】
「2010 オタク市場徹底研究」
矢野経済研究所