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人口増に成功した岐阜県可児市 ― チャンバラ合戦で地域活性化、市民の3.6%が“侍”に!

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2016年9月30日、渋谷ヒカリエでなぜか行われた「チャンバラ合戦 ~戦 IKUSA~」。スポンジ製の柔らかい素材でできた“刀”を握り、腕にマグネットで付いているボール状の“いのち”を斬り落としたら勝利という、戦国時代の合戦を体験できるスポーツです。

“いのち”を落とされた侍は戦場から出なくてはいけません。チーム制で戦を行い、敵陣の全員もしくは将軍の“いのち”を落とせば勝利、といったルール。個人戦のバトルロイヤルもあります。

“刀”で斬るというより、相手の腕を剃るイメージで“いのち”を叩き落とすのがコツだと教えてくれたのですが、くねっと曲がる刀ではなかなか難しい(笑)

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この日は4チームのチーム戦が行われ、緑チームの僕はまったく戦力にならず、チームは3位。なんとかビリにはならなかったのはせめてもの救いかな。あはは~。。。

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チャンバラで人口増加に成功した岐阜県可児市

日本全国で抱える代表的な悩みが少子高齢化による人口減少です。都会からの移住や観光客の増加を促そうと各地の自治体は日々奮闘していますが、人口10万人の岐阜県可児市(かにし)もそのひとつ。

可児市の人口を調べてみると、2015年9月に39,945世帯数・人口100,917人でしたが、1年後の2016年9月には40,730世帯・101,413人に。約800世帯、約500人の増加に成功しています可児市ホームページより)。

どうして可児市は人口の増加に成功しているのか。まぁ、話の流れからして、成功の鍵はさっきのチャンバラというわけ!もちろん、すべてチャンバラのおかげというわけではないのですが、そこには可児市から地域活性化の相談を受けたNPO法人ゼロワンの存在がありました。

米田真介さんが代表を務めるゼロワンはチャンバライベントのパッケージモデルとして「チャンバラ合戦 ~戦 IKUSA~」を展開しています。大人も子供も一緒に遊びながら地域を元気にしていこうという参加型コンテンツです。地域活性化だけでなく、被災地支援や発展途上国支援も行っていて、寄付を受けたり、講演依頼、企業との協働などの形で運営しています。

さて、2016年春にゼロワンと組んだ可児市はWebサイト製作等を行う株式会社Tears Switchとも協働する形で「戦国城跡巡り事業 -可児市の乱-」を開始。その背景がすごく面白いんです!!

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可児市(行政)の考える観光プランをバッサリ斬った

実は当初、可児市が地域活性化プランとして計画していたのはまったく別モノで、市内に10箇所ある城跡を観光客に巡ってもらう「戦国城跡巡り事業」でした。

これをゼロワンは「お城ならまだしも、城跡に観光客は集まりませんよ」と可児市のプランをあっさり否定。もともとある歴史的な資源は魅力に欠け、町おこしできるレベルではないとしたわけです。

ここ、かなり重要なポイントだと思います。地方創生を一から考える際に「せっかくこれがあるのだから」という理由だけで無理矢理に観光の目玉にしようとすると、目的達成の妨げになる可能性があります。人を呼び込む柱になると思っていたものが果たしてどれだけ魅力あるものなのか、一度距離を取って見つめ直す必要があるということ。僕はゼロワン米田さんのこの言葉を聞けただけでも今回のチャンバライベントに参加した価値はあると思いました。

その後、プランを変更してチャンバラを活用しようということになったのですが、お堅い市役所がチャンバラを取り入れるまでにはお役所独特の理由で困難が多かったのではないでしょうか。

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堅い行政にはユニークな人材のアイデアが不可欠だった

「可児市役所の人が良い意味で変で、協力的で、盛り上げも上手な人」。ゼロワン米田さんは市役所の観光経済部観光交流課のなかにいる非常にユニークな人が同事業を担当することになった点を挙げ、「(可児市は)文化財を守るだけじゃなく積極的に活用するという英断をしたこと」を成功のポイントとしています。

そう、本来なら立入禁止にして保護することが多い歴史的な城跡を、あえてチャンバラの合戦場に利用してしまおう!と突飛なアイデアが市役所の中から出てきたんです。

よく耳にするのは、地方では市役所とか商工会が行動を動かさないと町の人々は動かないということ。単独で火を付けても動いてもなかなか広がっていかない。田舎であれば田舎であるほどそうです。可児市の成功は市役所の中に積極的に行動するユニークな人材がいたことが大きいです。その方はチャンバラをやることに全面的に協力し、場所を確保、自らも楽しんでいるんだとか。

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「戦国城跡巡り事業 -可児市の乱-」は年に20回開催予定で、開催するとほぼ埋まるほどの毎回大盛況となっています。

市民が積極的に可児市の情報を発信するようになった

観光資源にならないと言ってバッサリ斬られた10箇所の城跡。それまで市民の関心の対象にさえなっていなかったにも関わらず、合戦の場である城跡の写真をSNSにアップする市民が現れました。チャンバラにハマった市民が自ら行動して城跡の情報を発信するようになったんです。チャンバラのおかげで城跡に興味を持つ人が増えた。これって素晴らしくないですか!?

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(地域のおじさんもノリノリ)

大学生やリタイヤしたお年寄りなどによる地域のボランティアが増え、地元の消防団が小ネタを挟みながら動画をアップしたりと、今や可児市のチャンバライベントは市民にとって身近なものになってきているんです。

2016年度からスタートしたばかりの「戦国城跡巡り事業 -可児市の乱-」ですが、公式サイトに参加者の顔写真が掲載される仕組みや、合戦が行われる城跡のアイコンに火が付く視覚効果も市民の興味を引きつけ、たくさんの“侍”が誕生しています。外国人の参加も多いんだとか。10万人いる可児市の人口のうち1万人(10%)が参加すれば成功とみているそうですが、すでに3,600人が参加しているんです!実に人口の3.6%が“侍”になっているということ。目標を達成するのは時間の問題でしょう!

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(NPO法人ゼロワン 米田真介代表)

 

笑顔になることが町を動かすヒントに

可児市が計画していた「戦国城跡巡り事業」は姿を変え、「戦国城跡巡り事業 -可児市の乱-」として町の人気コンテンツとなりました。

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渋谷ヒカリエで体験したチャンバラは実際に現地で行っているものとほぼ同じものだそうです。誰でも簡単にできて、僕も知らず知らずのうちに侍になっていました。誰よりも先に敵陣に攻め入ってやる!と走ったものの速攻で返り討ちにあい、気持ちが凹んだのは束の間。すぐに味方を応援しようと、同じ緑チームに声援を送ります。1回戦はボロボロに負けましたが、2回戦は大勝利!すごく楽しかったです!みんなで笑顔になって勝利を喜びました!

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最後に、米田さんが「町を良い方向へ変えていくためには人が笑顔になるようなことをやらないとダメ。外から見て羨ましいと思わせないと人が来るようにならない」と言っていたのが強く心に残りました。子供も大人もお年寄りも、みんな笑顔になって楽しめる。市民の心の中から町を元気にできるチャンバラは素晴らしいなと思います!

日本人なら誰もが憧れる侍になって、チャンバラを体験できて良かった。面白かったです!

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