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バカだ少年記…飼育小屋奮闘記その3「開拓者」

さて今回は前回の予告どおり、セキセイインコ達の話をしよう。
俺が飼育係りになった当初は五羽だったセキセイインコ達も、新たな仲間達を迎える時がやってきた。例の購入済みだったセキセイインコ五羽が届く日がやってきたのだ。流石に10羽になったセキセイインコ達は、広い鳥小屋を色鮮やかにした。こうなると世話のしがいもあるものだ。しかし喜んでいたのも束の間事件が起きた。
10羽に増えてから一週間たったある日のことだった。いつものように、飼育小屋の外扉を開けるとすぐ右の用具箱の上に一羽のセキセイインコがいたのだ。よく考えるとこれはおかしい。何故なら、目の前にあるウサギ小屋と鳥小屋への扉は両方とも閉まっているからだ。俺達は急いで外扉を閉めて捕獲にかかった。しかし、網は困った事に今セキセイインコがいる用具箱の中だ。こうなると素手でいくしかないわけだが、力任せにいくわけにもいかない。非常に難易度が高い事は言うまでもない。そこで、俺達のなかで一番素早いT田に任せることにした。慎重に間合いを詰め始めたT田だったが、あと一歩のところで感づかれて逃げられてしまった。そしてセキセイインコのヤツは屋根裏の奥へと入っていってしまったのだ。
こうなっては屋根裏に上がって捕獲しなければならない。そこで今度は俺とT中が上に上がって捕獲することになった。俺とT中は同じサッカーチームの俺がキーパーでT中がスイーパーだった。(因みにスイーパーとはキーパーの前を自由に動いて守るディフェンダーで、当時はフォワード3、ミッドフィルダー3、ディフェンダー3、スイーパーというフォーメーションが主流だった。)つまり、チームワークはばっちりといったところだ。それで俺達が考えたのが二人とも網を持ち、真ん中にあたる外扉のところに追い込んで捕獲する方法だ。屋根裏は狭く、常にスパイダーマン的な体勢でいなくてはならず、網を存分に振るうことが出来ないのだ。なのでこちらが動ける空間に挟み撃ちで追い込もうというのだ。
作戦は開始された。俺達はスパイダーマンと化し屋根裏を這い回る。そんな俺達に驚いてセキセイインコが飛び回る。しかしヤツは俺達がいるところには飛んでこない。じわじわとヤツは外扉の空間に追い込まれていく。そして、「今度は逃がさねえぞ!」と外扉のところで息を潜めていたT田が捕獲したのだ!こうして俺達のフォーメーションは完成したのだ。捕獲も無事完了。これで一安心だと思っていた俺達は甘かった。
翌日、飼育小屋に入った途端俺達は驚愕した。何故なら昨日は外に出ていたのは一羽だけだったのが、今日は三羽に増えていたからだ。これは明らかにおかしい。そういえば昨日は捕獲に夢中で外に出ていた原因を究明しなかった。そこで最初に鳥小屋をよく調べると、天井の端の網に穴が幾つかあいていたのだ。それも昨日のスパイダーマンのせいで広がっていたようだ。なので今回は捕獲後に網を修復することにした。昨日完成したフォーメーションの威力は素晴らしく、捕獲は滞りなく済み、無事網の修復も済んだ。今度こそ大丈夫だと思ったのだが、ヤツらの方が一枚上手だったようだ。
次の日、俺達は負けを認めた。何故なら外に出ているインコが六羽になっていたからだ。どうやら、俺達が修復した部分をピンポイントで狙って脱出を図ったようだ。後によくヤツらを観察すると、実に器用に穴を通過していた。これ以上を捕獲を繰り返していたら流石にインコも弱ってしまうし、怪我を負わせてしまう恐れもある。それに外扉さえしっかり閉めておけば、外界へ脱走されることはまず無いと言えた。なので結局屋根裏に開放状態のままにすることにした。まあ、インコ達は新たな場を開拓したと言えるのではないだろうか。しかもこの事は結果として良かった事になる。それは次に語るニワトリ達の事に関係する。では、また次回で

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