投稿:アスカ

火力発電・LNGで注目の関連銘柄はこれだ!

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野村証券が2011年7月6日付のレポートで、「火力発電・LNG(液化天然ガス)で高い競争力を持つ日本企業」を紹介しており、LNGから火力発電までのサプライチェーンに注目、としています。

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LNGサプライチェーンは、ガス田の探鉱・開発・生産、液化プラント基地、LNGタンカーによる海上輸送、受入基地、電力・ガスへの配給網というように、インフラを整備する上で関わっている企業の数がものすごく多く、裾野が広いです。
日本のLNG輸入の歴史は1969年からと古く、10年で世界最大の輸入国であるため、この業界での日本企業のプレゼンスは高いとのこと。

【LNGのサプライチェーンに関連した企業】(以下、抜粋)

千代田化工建設(6366)
世界のLNG プラントの建設プロジェクト実績でトップシェアと推定される。LNGのプラント建設では、1976年の中東アブダビが最初であり、2009年のカタールでは1 系列で世界最大規模の年産780 万トンの建設に関わった。6 月にはイタリアの大手エンジニアリング会社SaipemとLNG及び上流分野での提携協定を締結した。12.3期の受注は前期比2.4倍の5,600億円が予想される。今後の受注候補としては、ベトナムの石油精製プラントと豪州のLNGプラント(契約形態によるが2,500~3,500億円規模)などの大型案件の入札が予定されている。来期以降もLNG などのプラント案件は豊富と見られる。また、中期的にロシアのLNGプラントなどの具体化も注目できよう。

日揮(1963)
世界のLNGプラントプラントの建設プロジェクト実績で2位と推定される。12.3期の受注はほぼ前期並みの6,000億円を予想する。注力案件では、中東の石油精製、石油化学など、アジア・オセアニアの石油精製、LNGなどが挙げられている。12.3期の受注候補としては、ベトナムの石油精製プラント、豪州のLNGプラントなどの大型案件の入札が予定されている。

日阪製作所(6247)
中東の大型プレート式熱交換器で約4 割のシェア、特にカタールのLNGプラント向け大型熱交換器では、スウェーデンのAlfa Laval と二分する。LNG船にも熱交換器を納める。世界に2 基しかない4 万トンプレスを1 基保有する他、世界初の全自動2 万トンプレスも保有しており、チタン展伸材の調達力でも競争力が高い。現時点で納入実績はないものの、LNGプラント向け無摺動ボールバルブ「DUAX」を開発済みである。現在、当バルブ市場は米メーカー1 社が寡占しているが、熱交換器と合わせ販売拡大を目指す。

トーヨーカネツ(6369)
世界第2位のタンクメーカー。世界で建設したタンクの実績は5,300基を超える。LNGタンクでは国内外で100基近くの累計受注実績を持つ。豪州ダーウィンに18.8万キロリットルという世界最大級の地上タンクを建設した。11年3月に豪州向けLNGタンク2基の設計・材料調達業務(約100億円)、6月にはインドネシア向けLNGタンク1基(土木工事などを含め約100億円)の受注を発表している。国内のLNG受入基地のタンクの受注実績も豊富である。

IHI(7013)
ガスタービンやボイラーなど火力発電関連機器やLNG受入基地やタンクなど幅広い製品に関わる。中でも、LNGを中心とする低温貯蔵タンクでは世界トップの建設実績を持つ。日本国内では90基以上のLNGタンク受注実績があり、5割以上のシェアを持つと見られる。LNG受入基地とLNGタンクでは世界一の輸入国日本での実績を生かしてインドや米国、中国など多くの国で実績を有している。12.3期の営業利益は震災影響などから前期比20%減益の見通しだが、資源・エネルギー関連の受注は回復基調にあり、13.3期から業績改善が見込まれる。

明星工業(1976)
発電所やLNG設備などで使われる断熱工事を手掛け、超低温を保つ必要のあるLNG関連ではLNG船からLNG製造、貯蓄設備など幅広い工程で豊富な実績を有する。海外ではインドネシアやナイジェリアなどのLNGプラントやエネルギー資源設備を手掛けており、LNG需要の増加は今後の受注に追い風となる可能性がある。

住友精密工業(6355)
主力事業の一つの熱交換器事業ではLNG気化設備で世界トップの納入実績を有する。1954年にアルミ浸漬ろう付け法で航空機用熱交換器を開発して以来、産業機器や電力設備などに熱交換器を供給、多くの実績で高く評価されている。LNG気化設備では、国内のみでなく海外でも韓国、中国、欧州などで販売実績を持ち、LNG受入基地の増加で受注が期待できよう。

三菱重工業(7011)
ガスタービンの世界シェア3位メーカーで発電関連機器を幅広く手がける。会社の中期計画では、原動機事業(原子力事業を除く)は12.3期から受注回復の見通しで、15.3期に1.3兆円(11.3期比1.9倍)の受注を目標とする。伸長分野の製品開発では、ガスタービン、石炭クリーン技術のIGCC(ガス化複合発電)、洋上風車などが挙げられた。J形ガスタービンの開発では実証発電設備で1,600度運転を達成、世界最高効率60%以上を見込む。J形ガスタービンの出力レンジでは30~40%のシェアを目指している。足元では主力製品のガスタービンではアジア向けに引合いが活発化していることに加え、国内でも電力供給不足に対応した需要が見込まれる。

トーカロ(3433)
溶射加工のトップメーカー。溶射は鉄の表面をチタンやセラミックの皮膜で改質する表面処理技術であり、耐熱性や耐摩耗性の向上などの用途で使われている。溶射加工の用途は、半導体製造装置をはじめとして、産業機械や鉄鋼など幅広い。ガスタービンでは燃焼器の出口温度が1,500℃の高温に達するため、耐熱性の向上と安定した性能の実現に向けて主要部品で溶射加工されている。三菱重工製のタービンなどでの受注実績がある模様である。

イーグル工業(6486)
メカニカルシールのトップメーカー。メカニカルシールは回転機器で液体や気体を漏れなくする精密部品である。自動車部品や産業機械、航空・宇宙関連など様々な業界で使われている。ガスタービンでは当社のブラシシールが使われており、中期的に需要が増加する可能性がある。三菱重工製のタービンなどでの受注実績がある模様である。

ダイワボウホールディングス(3107)
紡績の中堅企業だが立旋盤を手掛けるオーエム製作所を7月に株式交換で完全子会社する。オーエム製作所は立旋盤のグローバルトップメーカーであり、原動機など大型製品の旋盤加工に強く、加工精度の高さが評価されている。電力関連では、ガスタービンなどで使われるタービンシャフトの加工に主に使用され、国内外のタービン需要の増加に伴って、設備需要が増加する可能性がある。

東芝プラントシステム(1983)
東芝の子会社で、主にプラント据付を手掛ける。マレーシア、タイ、エジプト、インド等でガス火力発電所(一部はコンバインドサイクル)の設計、エンジニアリング、機器調達、施工管理などを受注した実績がある。当社の強みは、東芝製だけでなく、他のメーカーのタービン等の機器も調達、施工できる点である。13年度までの中期経営計画にも「東南アジア、インドにおける火力発電設備等
の受注拡大」が明記されており、会社予想では受注高の海外構成比は11.3期の17%から、12.3期には22%へ拡大する見通しである。国内においても、10年10月に稼働した、世界最高レベルの熱効率を誇る富津火力発電所4号系列(コンバインドサイクル)の据付などに関わった。

九州電力玄海原子力発電所の「やらせメール」の発覚などで、ますます全国の原発の再稼働が遅れるとの懸念が強まるなか、不足する電力を補うため、上記のような比較的温室効果の少ないLNGを使用した火力発電で安定的な電力供給を行うことが電力会社には求められるのかもしれません。

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