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『まだおカフェ』の仕掛け人、しあさんにインタビュー! アキバ新スポットの真相を聞いた

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東京・秋葉原の電気街で話題になっている『まるでだめなおとなのCafe&Bar madawo.com(まだおカフェ)』。アキバの中でも目立つ存在となりつつあります。最近では、天パ長さん(天然パーマの店長)のキャラクター性もあって、ソファーなど40席近くある客席がすべて埋まるくらい混雑することもあります。

 ■秋葉原の「まだおカフェ」、無料Wi-Fi・電源ありでソファーもいい感じ!

もう何度も行ってるよ~、という方も多いでしょうし、ぜひ行ってみたい!と思っている人もいることでしょう。僕(@asuka_xp)は週に平均2回くらい“通って”います。これが不思議と、一度行ってみるとまた行ってみたくなる感覚なんですよね。

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 メイドカフェのあるビルの4階に位置する『まだおカフェ』

さて、みなさんはこの『まだおカフェ』がオープンするにあたり、実は天パ長さんを含め4人の人物が関わっていたことをご存知でしょうか?

今回、このブログ「め~んずスタジオ」では、『まだおカフェ』の仕掛け人であるしあさん@xia_navy)にインタビューし、オープンまでの苦労やお店の目指しているもの、天パ長についてなどをお聞きすることができたので、この場でほぼノーカットでお届けしたいと思います!(インタビュアーはアスカ[@asuka_xp]と、ろっぱ[@roppay])

『まだおカフェ』のオープンについて

アスカ(以下、ア):「まず、まだおカフェって、2011年9月にオープンしたんですか?」

しあ(以下、し):「9月23日あたりだったんじゃないですかね~。」

ろっぱ(以下、ろ):「準備期間ってどのくらいかかったんですか?」

し:「最初は資金のこともあり、なるべく早期に立ち上げをやろうと思っていたんです。僕にこの話を持ちかけられたのが2011年2月くらい。物件とか選んでるうちに、あの(3月11日の)大震災があったんです。それからは、とりあえず様子を見ようと。2ヵ月くらい経ってから再始動しようと。その間、物件は探してたんですが、見つけたのは5月、6月くらい。実はこのお店って前はメイドカフェだったんですね。」

ろ:「あ、知ってます。『こくまろみるく』!」

し:「そう。1度行ってみたんですが、まぁ、秋葉原って物件ないんですよ。飲食できる物件はあるんですけど、とりあえず外神田という地域ではほとんどできない。元はオフィスだったりで。やるとしても、改造しないといけないイコールお金がかかる。」

ア:「厨房施設を作らないとダメですもんね。」

し:「ちょっと外れれば、例えば神田の方とかに行くと(飲食店ができそうな物件は)出てくるんですけど、そこってぜんぜん人が歩いてない。店を開いても儲からない。だから、やっぱりこの辺りでやるしかないと。もう毎日のように物件を探してたんですが、そうしたらある日たまたまここが空くというので、急いで問い合わせたんです。で、物件を押さえた。でも、ここの『こくまろみるく』が出ていくまではどうしようもないので、それまで待ってた。閉店が確か・・・」

ろ:「(調べて)5月29日です。」

し:「じゃあ、6月くらいに空いたんだっけな。でも大震災の影響で耐震検査をしなくちゃとか、いろいろあってオープンが9月になっちゃった。」

ア:「けっこう長くかかっちゃいましたね。」

し:「本当はもっと早くオープンしたかったですね。」

店内について

ア:「このお店の内装っていつ考えて決めたんですか?」

し:「これがね~、1度『こくまろみるく』に来たことがある人はわかるんですけど、これどう見ても『こくまろみるく』です(笑)居抜きなんです。ほぼ100%や、90%、いや、95%くらいは『こくまろみるく』です(笑)どうしてこうなったのかというと、もともと居抜きで使う予定だった。っていうか、居抜きで使わないと資金が足りないんですよ。すごい資金力があってやったわけじゃないので。でも、あの(各席の壁にある)コンセントは後から付けたものですけどね。」

ア:「じゃあ、コンセントはお客さん用に提供するつもりで付けたんですね?」

し:「はい。本当は壁じゃなく、各テーブルに付けようと思った。でも、無理でしたね。」

スタートしたきっかけ

ア:「話が前後しちゃうんですけど、そもそも『まだおカフェ』を作ろうと思ったきっかけって何だったんですか?」

し:「僕と店のオーナーと店長ともう1人の協力者の合計4人でスタートしたんです。もともとオーナーが、自分がたまれる、飲める場所が作りたいと思ってたらしいんです。でも、自分は自分の仕事があるから誰かにやらせたいと。で、店長が当時フラフラしてたんで一緒にやろうと。その後、2011年2月くらいにアキヨド(ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba)の上でたまたまオーナーと飲んだときにその話をされて。僕はショットバーでバーテンダーをやってたことがあって、まぁ、今は一端のライターですけど、将来的に50、60歳くらいになったら小さい店をやりたいなぁと思ってて、じゃあ、その話に乗ろうかなと。そこから走り出したんですね。」

ア:「そういうノリ、いいですね~!しかも、アキヨドの上で決めたって(笑)」

ろ:「ターニングポイントはアキヨド!(笑)」

し:「始まってからは、2人(オーナーと店長)が決められなかった部分はわりと僕が決めさせてもらったりしてましたね。どういう店にするかコンセプトを決めるときには、店長がカッコ良く『アンテナ』にしようって。」

ア:「アンテナ?」

し:「『アンテナ』って何やねん!って思ったんですが。まぁ、僕は秋葉原でやるんだったら(今の時代は)みんな何かしら情報を発信するモノがあって、情報を発信する技術があるんだから、じゃあ、そういう人たちが集まれて、みんなが語れて、新しいことをやったり、情報を発信できるような店にしようと。DJブースを設けてイベントやったり、ネットラジオをそのまま配信できたり、クリエイターの人が発信できる、そんな場を作りたいというのが僕の中にあった。」

ア:「発信したい人も集まるし、それを聞きたいお客さんも集まりますね。」

し:「そうなんです。ある意味、集客は他人任せみたいな(笑)」

貸切イベントについて

ア:「DJブースってあそこ(店のカウンター右)にありますけど、貸切でイベントとかできるみたいですね。」

し:「僕としては、ガンガンに貸切イベントをやってほしい。そういう貸切プランもありますし。(店を始める)当初から貸切プランっていうのは考えてたことです。DJブースを貸し出すっていうのも、僕がちょっとDJをやってるってのもあって、自分でやりたいからそういう場所があったらいいなと(笑)」

ア:「自分でDJやりたいから、ここを作ったと!」

し:「それは間違いないです(笑)」

ア:「あと、僕がちょっと思ったのは、プロジェクターってないのかなと。」

し:「これね~、プロジェクターを付ける予定はあったんですけどね、付いてないですね~。」

ア:「貸切イベントやるとなると、プロジェクターって欲しいですよね。こういう要望って、店長に言えばいいんですか?」

し:「はい。どんどん言っちゃっていいんじゃないですかね。ただ、実現するためには、もっとお客さんに来てもらって注文もたくさんもらわないと(笑)」

店長(天パ長)について

ア:「まだおの店長って、天パ長って呼ばれてますよね。」

し:「オーナーも天パで、協力者の人も天パ気味だし(笑)」

ア:「店長、みんなに愛されてますね!」

し:「そこはむしろ、そうなってもらわないといけないな~というのがありますね。お店をやる上で大事なので。」

ア:「Twitterでみんな絡みまくってます。」

し:「ただ、心配なのは、内輪になりすぎることかなと。」

ア:「あ~、新規のお客さんが来づらくなっちゃうとか。」

し:「最初の頃はそんな傾向があったんですよ。でも、見てると、新規のお客さんも広がってきてるのかなと。」

ア:「今は、人が人を呼んで連れてきてる感じがします。」

ろ:「地方の人が秋葉原に来るときに、まだおカフェ行ってみたいって言ってましたね。」

し:「そうなんですよね。だから、本当は夏コミ前にオープンさせたかった。夏コミに参加するために地方から人が出てくるんで。」

ろ:「(情報の)ハブになってる人がこのまだおにはいる感じがします。」

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 アキバで一番注目の『まだおカフェ』。大人気!

お客さんの回転率について

ろ:「『リナカフェ(カフェ ソラーレ リナックスカフェ 秋葉原店)』が(12月25日で)閉店したら、お客さんがまだおに流れてきそうですよね。でも、リナカフェに行ってた人ってずっと居座る人が多い感じがするんですけど、そのあたりが心配じゃないですか?」

し:「僕はそこは、やり方しだいなのかな~と思いますね。」

ア:「回転率、大事ですよね。」

ろ:「どんだけお客さんがお金落としていってくれるのか。」

ア:「客の立場としても、コーヒー1杯でずっといるのも悪い気がするし。」

し:「とはいえ、とりあえずまずは認知度を上げてもらって、たくさんの人に来てもらいたいと思いますね。」

ア:「前に東京に住んでて今は大阪に転勤しちゃった友達がいるんですけど、その人がまだおに来たいって言ってました。」

し:「自分もTwitterのタイムラインを追ってて、まだおの話題を見たりしてました。生みの親って言ったら変かもしれないけど、そういう情はありましたね。たくさんのお客さんを呼びたい。」

ア:「しあさんはプロデューサーという立場なんですよね?」

し:「ん~、そうですね。でも、あくまで僕一人でプロデュースしたわけではない。ただ、導入部分に関してはかなりガッツリやったつもりです。仕掛け人って感じですかね(笑)」

ア:「もうちょっと言うと、匠とか(笑)」

し:「商売って高校生のころからけっこう考えていて、何を考えていたかというと、メイドさんがいる喫茶店って絶対に儲かると思ってた。」

ア:「おぉ、そんな前から!」

し:「当時、パソコンでメイドさんが出てくるゲームがあって、なんかこういうキャラクターが着てる服をリアルに着てる子が店にいて、喫茶店やったらお客さん来るんじゃないかなって思ってた。思ってたら、メイドカフェが登場した(笑)」

ア:「あはは!」

し:「きちゃったよ~、なんだよ~って!男の願望みたいなのって、すごいですよね(笑)」

オタクの本

し:「実は3、4年前にオタクに関する本を出させてもらってまして、あ、これは紹介しないでください(笑)その本には書いてないんですけど、出版するにあたってけっこうオタクの裏社会について調べた。本自体はすごくライトになってます。んで、実は今日、さっきまで女の子の撮影やってたんです。」

ア:「え、どんなのですか?」

し:「コンセプト的には、アイドルになれなかった女の子をアイドルにしようプロジェクトみたいな。」

ア:「来年(2012年)の早々にやるイベントで、その子の写真集をだそうっていう。ちょっとしたミニ写真ブックみたいなのですけど。」

ア:「そういうこともやられてるんですね!」

し:「わりとイベント好きなんで!」

ア:「今度誘ってください!見ていいんだったら(笑)僕もイベント大好きなんで。まぁ、それ行ったらブログに書いちゃいますけど!」

し:「あ、いつもじゃないけど、ブログ読ませてもらってますよ!」

ア:「え!ありがとうございます!」

し:「IT系っていうか広いジャンルですけど、いろいろな情報を追ったりして。」

ア:「わ~、嬉しいですね~!でも、イベントやったりそういうのが本職なんでしたっけ?あ、違うか!」

し:「ん~、でも、そこにビジネスチャンスがあったら踏み込んでいく!いろいろやりたいんですよね。」

ア:「じゃあ、メイン(ライター)の仕事を持ちつつ、いろいろチャレンジしていくと。」

し:「まぁ、1つの場所にいられないってだけで(笑)」

本業のライターとしてのしあさんについて

ア:「しあさんがやってるライターのお仕事のお話って聞かせてもらっていいですか?」

し:「説明書とかのライターをやってまして、テクニカルライター的な。」

ろ:「やったことあります。あれ、大変ですよね~。」

し:「僕はハードウェアだったんですけど、自分でバラしてみたり、仕様書を見たりして。そこから、アダルトのライターやったり、オタクの本出したりして。今は某会社でいろいろな会社さんの要望のライティングをやってます。」

ア:「ほんと、いろいろやってますね。」

し:「首つっこむのが大好きなんで。」

ア:「今までで痛い目にあったことってあるんですか?」

し:「僕はライターという職業で言えば、自分で体験したことしか書かないようにしてるですね。たぶん、ほかのライターさんもそうだとは思うんですが、少なくとも僕はそう思ってて。じゃあ、アダルトの仕事をやってたときに、風俗に行ったことがなかったので風俗に行ってみたときの話を。」

ア:「おぉ」

し:「SMだったんですけど。実際にローソク垂らされたときの熱さだったり、縛られたときの痛みとか、ムチでも何でも良かったんですけどね。そういうのを書かないといけなかったので。ほんとはコラムを書く予定だったモデルの子が私はこんなの書けないって、それで僕が書くことになっちゃったんです。」

し:「人を縛る縛師(ばくし)という専門の方がいてその方と御縁があったので縛ってもらったり、仲間の女王様にムチで打たれたりした。一番きつかったのが、吊られるのですね。」

ア:「天井からですか!?」

し:「吊られると、とにかく縄が体に食い込む。すごい痛くて。小学生のころって逆立ちとか宙吊りになっててもわりと笑っていられたのに、いざ大人になって宙吊りにされたときにめちゃくちゃしんどくて、死ぬかと思った。」

ア:「何分も吊られてたんですか?」

し:「何分もないと思う。1分くらいだったかな。こんなのもう無理無理~って。AVでよく縄で天井から吊られてる女の子がいるけど、よく平気な顔していられるな~と。」

ア:「あれが気持ちいいんですかね」

し:「我慢してるのかもしれないですよね(笑)まぁ、僕はそういうのも体験してみないと、って。」

ア:「それが先ほどおっしゃっていた、自分が経験したことを書くってことですね。」

し:「って思ってるんですけどね!こんな人間でした。いろいろ首を突っ込んじゃうんですよね。どうしょうもない人間ですみません。」

ア:「すごい魅力がありますよ(笑)」

し:「2012年の目標はあまり食いつき過ぎないようにしようかと思います(笑)」

今後の目標

ア:「最後に、今後は仕掛け人として言える範囲で考えてることがあればお願いします。まだおカフェに限らず。」

し:「できるかできないかは別として、来年(2012年)の1月に中国・香港マカオに行く予定でして、現地の人とオタク文化を育てたいなぁと思っています。目を向けてるのは海外です。」

ろ:「ぜひ、タイも行ってみてください。外務省主催のオタクイベントとかけっこうあるので。紹介しますよ!」

し:「ぜひぜひ紹介してください。でも、僕は日本で流行ってるから海外でもやっちゃえ、っていうのはつまらないと思うんですよ。もっと現地の人の観点を生かしたものを作っていく方がいいかなぁ。やっぱり、2012年もいろいろ首を突っ込んじゃうのかな(笑)」

ア:「これからもいろいろとやってくれるんだろうなぁ~と期待しています!本日はありがとうございました!」

お話を伺ったのは2011年12月8日でした。『まだおカフェ』の仕掛け人であるしあさんは、現在は『まだおカフェ』の経営や関係者から外れています。ですが、これまでのさまざまな経験が今の自分の支えになっているんだな~と感じました。
お店の場所探しは本当に苦労されたようで、偶然にも空きが出た今のビルの4階は絶好の場所だったことでしょう。しかも、これまで秋葉原の代表的なカフェだった『カフェ ソラーレ リナックスカフェ 秋葉原店(リナカフェ)』が12月25日で閉店とのことで、今後はそのすぐ近くに位置する『まだおカフェ』を利用するお客さんも増えると思います。

Wi-Fiもあり、電源も使え、リーズナブルな料金でドリンクやお酒が飲めるだけでなく、そこにいる客と客が自然と知り合いになっていく感覚は他のカフェでは味わえない楽しさがあります。そんな『まだおカフェ』に“通って”しまう客はきっと少なくはないと思います。

最後に、快くインタビューに応じてくださったしあさん、どうもありがとうございました!

■しあさん Twitterアカウント@xia_navy

まるでだめなおとなのCafe&Bar madawo.com(まだおカフェ)

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