2016年6月1日、PFUが「Omoidori(オモイドリ)」を発表しました。OmoidoriはiPhoneを装着して使う、小型の暗室製品です。専用アプリと組み合わせて使うことによって、写真が貼られた紙のアルバムからテカりがない状態でキレイに写真をデジタル化。iPhoneに保存し、古い写真を気軽に残して新たな形で楽しめる製品です。
「Omoidori(オモイドリ)」の特徴は以下のとおり。
【特徴】
- 紙のアルバムをテカらずにiPhoneでWスキャン
- プリント・アルバム作成サービス(プレゼントに最適)
- 日付をExifに自動変換
- 2Lの大きい写真もスキャン
- 向きの自動調整
- 赤目補正
- 懐かしい思い出がよみがえる
- テレビの大画面に映し出せばみんなで思い出を楽しめる(おもいでばこ、Wonder Photo Boxと連携可能)
- 自分史の作成にも活用できる
僕はOmoidoriが発表された夜に開催されたブロガーイベントにご招待いただきまして、開発の経緯や思いを知ることができました。ということで、Omoidoriのイベントの様子をレポートしたいと思います!
「写真をモチーフにした新しい商品を発表します」と言ってPFUの松本秀樹さんが取り出したのがiPhoneアルバムスキャナー『Omoidori(オモイドリ)』。これです。
20歳代以降の人はおそらく大切な写真をシートで挟んで丁寧に作ったアルバムを保管しているはずですが、そのアルバムをiPhoneで撮影してデジタル化したいと考えたことがあるでしょう。しかし、アルバムをiPhoneで撮影しようとするとフラッシュや照明の光が反射してテカってしまい、キレイにiPhoneで撮れないのが難点でした。その悩みを解決するのがOmoidori。アルバムに貼られた写真をそのままの状態でiPhoneで簡単・キレイにデジタル化できるスキャナーです。
デジカメやスマホで写真を撮ることが当たり前になってきているなか、フイルム式カメラや「写ルンです」で現像した紙の写真の保管方法に困っている人も多いはず。今やアナログの写真にまったく興味のない僕としては、古い写真をデジタル化してスマホやクラウドに保存しておく方が嬉しいし、デジタルだとそこからブログに活用するのが楽なんですよね。やっぱり、古い写真もデジタルな写真として残しておきたいという気持ちがあります。
今回、PFUが発表したOmoidoriはそんな僕の願いを叶えてくれる製品なんです!
開発の経緯
Omoidoriは約10年前より開発したいという構想はあったそうで、アルバムを簡単にデジタル化したいという思いがあったものの実現には至らなかったそうです。アルバムってテカテカのラミネートシートで挟んであるじゃないですか。あのシートのせいで、その上からスマホで撮ろうとするとテカってしまってキレイな写真としてのクオリティを担保できなかったわけです。これがクリアできず、開発は一旦ストップしてしまいました。
そんなとき、2011年の東日本大震災が発生。被災者ががれきの中から見つけた泥で汚れたアルバムを抱えて、真っ先に仮設住宅に持って行くという現状を見たPFUはOmoidoriの開発を再スタートさせました。
それからは光と戦う日々だったそうです。2015年には暗室スタイルでのプロトタイプが完成。世界に一冊しかない大切な思い出をもっと手軽に残したい、という思いでOmoidoriを開発したんだとか。
商品化へのプロセスでは、いかにこの商品を気持ちよくお客さんに伝達していこうかというところで、エイトプランニングに最後の仕上げをしてもらったとのこと。ブランディングデザインについてはエイトプランニングの西澤代表が語ってくれました。
エイトプランニングの西澤代表
エイトプランニングはブランディングデザインという立場でプロダクトが広く一般の方々に広まりやすいようにネーミングや親しんでもらえるようなデザインをトータルで行う会社。この製品を任されたときに、これはすごいぞ、という気持ちになったそうです。本当に使ってもらいたいのは自分の母親やアルバムをこれから整理したいという人。Omoidoriというネーミング通り、多くの人に使ってもらいたい。データをみんなで共有して、その先に幸せな世界があると知ってもらいたい。と、熱弁を振っていました。
実際にOmoidoriで写真をスキャンしてみた!
PFUの佐藤菜摘さんは「テカらないのが一番の特徴」と言っています。
Omoidoriは折りたたみ式で、使うときにはこれを二等辺三角形の状態に広げます。
アルバムに覆い被せてから、次にiPhoneをOmoidoriにセットするのですが、対象機種はiPhone 6s、iPhone 6、iPhone SE、iPhone 5s、iPhone 5に限られます。う~ん、iPhone 6s Plusは無理なのか。。。
とりあえず、会場にあったiPhone 5sをセット。
操作はいたって簡単!専用のアプリを立ち上げるとすぐにスキャン画面が立ち上がって、簡単にスキャンを開始できます。
縦方向で撮った写真も、人の顔を認識してこのとおり!向きが正しく補正されました。また、同時に赤目になっている写真も黒目に補正してくれます。
そもそも、どうしてテカらないかというと、秘密は本体にあります。内側には片面にミラーがついていて、また、左右にLEDライトが4つ付いています。スキャンを開始すると左右のLEDが時間差で点滅し、その間に2回の撮影を行います。2回の撮影でテカっていないところを1枚の写真に合成。これよってテカっていないキレイな写真になるんです。特許出願済みとのこと。
アプリの便利機能
Omoidoriのアプリでできることを解説しておきますね。
- 写真には縦と横の写真があるが、スキャンとともに向きが補正される。縦に撮った写真を横向きでスキャンしても写真の顔を認識して向きを自動的に縦に変える。
- スキャンとともに日付を読み取り、日付をExifデータに残している。
- スキャン後に自動的に赤目が自動的に黒く補正できる
- アプリを2Lモードにし、半分ずつ2度スキャンして自動的に合成。これで最大2Lサイズの写真を1枚に合成してキレイに残すことができる。
- アプリからプレゼントマークをタッチすると「Omoidoriプリント」でプリントやフォトブックの作成を注文できる。
Omoidoriの製品情報
ちなみに、ネーミングは「思いを撮る」でOmoidori。お母さんが子ども(卵)を抱えているようなロゴデザイン。すっとしたシンプルなロゴで、僕はけっこう好きですよ!可愛いです!
【Omoidori(オモイドリ)】
型番:PD-AS01
価格:12,800円(税込)
発売日:2016年6月下旬
対応機種:iPhone 6s、iPhone 6、iPhone SE、iPhone 5s、iPhone 5
バッテリー駆動時間:単4電池2本で1,000枚
PFU DIRECT限定で初回予約1,000名に「スペシャルケース」をプレゼントするキャンペーンを実施。
オプション製品として、丸まってしまった写真を押さえながらOmoidoriで撮影できる「PFU フォトプレッサー」が発売となります。価格は2,700円(税込)。
Omoidoriの登場で感じたこと
Omoidoriの唯一の弱点としてはiPhone 6s Plusなど大きいサイズのiPhoneやAndroidの機種には非対応なところ。これが一番ガッカリしました。僕のiPhone 6s PlusではOmoidoriを使えず、写真のデジタル化はできません。ただ、対象機種(iPhone 6s、iPhone 6、iPhone SE、iPhone 5s、iPhone 5)を持っている人にはすばらしい製品だと思います!
紙の写真には紙の写真の良いところがあるけれど、紙である写真が入ったアルバムは災害にあえば失ってしまうし、引越し時には荷物になります。これを簡単でキレイにデジタル化できるOmoidoriはものすごく今の時代に必要な製品だな~と思いました。ですので、ぜひ次期機種では大きいiPhoneにも対応をお願いします!!