3月11日はやっぱり東日本大震災のニュースや話題が多いな、と思っていたのですが、その中でこの一文には「ハッ」と気付かされました。
それはNEWSポストセブンがYahoo!ニュースで配信していたものなんですが、震災直後にビートたけしが語り、著書『ヒンシュクの達人 (小学館新書)』に載っている内容です。
「1人が死んだ事件が2万件あった」ってこと
今回の震災の死者は1万人、もしかしたら2万人を超えてしまうかもしれない。テレビや新聞でも、見出しになるのは死者と行方不明者の数ばっかりだ。だけど、この震災を「2万人が死んだ一つの事件」と考えると、被害者のことをまったく理解できないんだよ。
じゃあ、8万人以上が死んだ中国の四川大地震と比べたらマシだったのか、そんな風に数字でしか考えられなくなっちまう。それは死者への冒涜だよ。
人の命は、2万分の1でも8万分の1でもない。そうじゃなくて、そこには「1人が死んだ事件が2万件あった」ってことなんだよ。
ビートたけしが言ったこの最後の一文。1人が死んだ事件が2万件あった、というのが物凄く心に響きました。
1件の災害でまとめがちですが、1人1人の人生がそこで大きく変わってしまったんですから。
死だけじゃなく、住む場所を失ったり、帰宅難民になったり、食料不足など、いろいろなことがありましたよね。個人個人の立場や状況がそこにあったんです。
誰かの役に立ちたい
人が最悪の状況に立たされたときに、「まず他人から」と考える人はいるだろうけどそれほど多くないだろうし、「家族や自分が助かるためにはどうすればいいか」と考える人が多いと思います。「それは違う」という正義感の強い人を尊敬はしますが、僕には正直無理だと思います。身内や自分が大丈夫だと確認ができてから他人、という行動になってしまうでしょう。
ただ、それでもやっぱり誰かの役には立ちたい。
当時、テレビが見られる状況にいない人のためにニュース番組の速報をツイートしたり、電車の復旧状況や食料が残ってるスーパーの情報をツイートしたりしていました。僕の他にもたくさんの人がやっていたことだけど、僕のツイートで1人でも多くの人を助けられたらいいな、ということだけを信じてやったんですよ。効果があったかどうかはわからないけど、やらなかったことを後悔せずに済みました。
買い占めが問題になったが、食料はある所にはあった
今思えば、いろいろな人の状況を考えていたんだと思います。交通網がマヒして帰れない人がいるかも、懐中電灯の電池がなくて困っているかもとか。死と比べたら大したことないですが、それってまさにビートたけしの言う「1人」の事件がたくさんあったことだったのかも。
計画停電などもあり、家電量販店やコンビニでは単一電池が売り切れた
10分後に起こるかもしれない次の災害に向けて
個人的には、人とのつながり、絆っていうのが非常に大事だと気付かされた東日本大震災。一番最初にやることは連絡を取り合うことでしょう。そのためにも、久し振りに遠くに住んでいる家族に連絡してみたり、緊急時の連絡先(電話番号やTwitterやLINE)の確認もしておくと良いと思います。
次の大きな災害はいつ発生するかわかりません。そんなときに自分はどうするか今はなかなか想像できないかもしれませんが、微力ながらも人の役に立つ行動をしたいです。
なお、大きな災害時にTwitterでは、地震・津波に関する情報は次のようなハッシュタグの利用を推奨しています。ぜひ一度確認しておくと良いでしょう。
→ 大地震・津波など災害対策用に、Twitterがハッシュタグやアカウントのまとめを公開
【関連記事】
■東日本大震災の中で見つけた心温まるエピソードなど31個
■【東日本大震災】ビートたけし、“そこには「1人が死んだ事件が2万件あった」”