基本的に写真とかカメラにはこう撮らなきゃいけないとかこう使わなきゃいけないとか決まり事はないと思っているのですが、イメージした画の通りに撮りたいときにはある程度の設定やテクニックを知っておくと便利です。
今回、「上空に打ち上げられた花火の光の筋が広がる様子をどうやったらキレイに撮れるのか」だけを目的にテスト撮影してきました。舞台は2015年8月4日に開催された江東花火大会です。
僕はぜんぜんカメラを教えられるような立場ではないんですが、花火を一眼カメラで撮影する際にやってみたらずいぶん自分で気に入った写真が撮れたのでその方法を解説したいと思います。(逆に、花火のオススメな撮影方法がありましたらぜひ教えてほしいです)
花火大会で撮影するときに最低限必要な道具
スマホで花火を撮るのは個人的にはオススメしません。そこそこ撮影モードを選べるコンパクトデジカメや一眼カメラを使うようにしたいです。僕が思う花火大会に持って行きたい必要最低限のカメラグッズは以下の3つです。
- カメラ
- 三脚
- レリーズ(スマホで代用可能な場合も)
カメラを手で持って打ち上げ花火を撮影するのはかなり無謀です。光の筋を撮るには数秒間から長いときには何十秒間も長時間露光(シャッターを押しっぱなしの状態)するので、カメラを三脚で固定し、ブレを抑えます。
そして、レリーズ。これはカメラのシャッターボタンに触れずに撮影ができるリモコンのようなものです。シャッターボタンを押すときには若干の揺れが生じることがありますし、それを防ぐためです。また、手の届かない位置にカメラを置いている場合にも有効だと思います。
ちなみに、花火大会の現場ではよくスマホで連写して撮っている人もいますが、それだとひとつひとつの火花の点しか撮れないので、花火の光の筋が広がる様子は撮れません。もちろん、それを狙って撮っているのならいいのですが。
シャッター押しっぱなしのバルブ撮影
先ほど、光の筋を撮るには数秒間から長いときには何十秒間も長時間露光する、と言いましたよね。
デジカメや一眼カメラにはあらかじめ何秒と決めた時間シャッターを開放できる「シャッタースピード優先モード」があります。「Tvモード」とかニコンだと「Sモード」と言われるやつです。花火を撮る際にはこのモードでシャッタースピードを◯秒にする、と決めて撮影してもいいですが、僕が試してみたのは「バルブ撮影」という方法です。
バルブ撮影はシャッターボタンを押しっぱなしにしてシャッターを開放し続け、好きなタイミングでシャッターを閉じることができる撮影方法です。つまり、花火が打ち上げられた直後にボタンを押し、花火の光が降ってきた後にボタンを離せば、その間の光の線が撮れるというわけです。
カメラによっては「Bモード」という表記でモードが用意されている機種もあります。マニュアルの「Mモード」からバルブ撮影を実行できる機種もあり、僕の使用しているCanon EOS M3は「Mモード」のシャッタースピードを設定するダイヤルの最も左に「BULB」(バルブ撮影)が選べるようになっていました。ぜひ、お手持ちのカメラで確認してみてください。
花火大会をバルブ撮影する際のISOやF値の設定
ここでは「Mモード」(マニュアル)でのバルブ撮影をするための設定を参考までに挙げておきますね。
ISO:長時間露光を前提にするのでISOは100とか200といった具合に低めにし、ノイズの発生を極力抑えます。
F値:ISOを100にしたらF値は10前後、ISOを200にしたらF値は17前後。(何かで読んだのですが、出典を忘れました。。。)
ちなみに、バババッとすごく光る花火「スターマイン」はF値を20以上などもっと高めにし、明るさを抑えた方が良いようです。でも、そんなこと言われても花火大会ではいつスターマインが打ち上げられるのかってわかりませんから、難しいでしょうね~(^_^;)
マニュアルフォーカス(MF)でピントを固定しておく
一眼カメラを使っていても、マニュアルフォーカス(MF)で撮ったことない人は案外いると思います。オートフォーカス(AF)と違い、自分でピントの合う位置を固定できるのがMFの良さです。
花火は空中に打ち上げられますから、何もない空中ではAFだとなかなか正しくピントを合わせてくれません。また、花火が打ち上げられてからではピント調節が間に合わないことも。
そこで、あらかじめMFにし、花火の打ち上がる位置にピントを合わせ、花火大会が終わるまでずっとそのピント位置を固定しておくことが重要です。MFにすると、レンズの先端側を回すことでピントを調節できます。コツとしては一旦AFで近くのビルなどにピントを合わせておき、そのままMFに切り替えるのがオススメです。
また、「手ブレ防止機能」をOFFにしておく方が良いという情報をチラチラ見かけるのですが、その理由は不明です(笑)とりあえず切っておきましょうってことなんですかね。
レリーズはスマホでも代用できる
近ごろではWi-Fi機能を搭載したデジカメや一眼カメラが増えてきましたよね。Wi-Fiでスマホと接続することで、撮った写真をすぐにスマホに転送できてそのままTwitterやInstagramなどに投稿したり、ブログの写真として使えるので非常に便利です。
それだけではありません。Wi-Fi接続したスマホはデジカメや一眼カメラのリモートレリーズ(リモコン)として使えるんです!
今まさにカメラのレンズがとらえている映像がスマホの画面に映し出され、それ見ながらスマホを操作することでデジカメや一眼カメラのシャッターを押せる!これは非常に便利です。僕はキヤノンしか使ったことがないのですが、ニコンとかソニーもスマホの専用アプリで同様のことができると思います。
シャッターを押しっぱなしにするバルブ撮影では、スマホの専用アプリを使い、レリーズ同様に操作すればOK。実際に僕は花火大会で、アプリ内のシャッターボタンを押しっぱなしにしてバルブ撮影を行いました。押しっぱなしにしてる最中には秒数がわかって便利です。
実際にバルブ撮影で撮った写真
つたない説明でわかっていただけたかどうかが心配ですが、2015年8月4日に開催された江東花火大会で撮った写真を載せておきますね。すべての写真はスマホをレリーズリモコンとして使用し、バルブ撮影したものです。なお、写真はRAWで撮影し、Lightroomで現像。一部についてはトリミングしています。
※ 掲載写真が多いため、スマホから閲覧の場合はページが分割されます
写真のExifデータが見たい場合はこちらのflickrを御覧ください。
バルブ撮影が楽し過ぎて、すっかり好きになってしまいました。まだまだ今年は花火大会がたくさんありますし、ぜひ皆さんも花火大会を撮影してみて、バルブ撮影の楽しさを体験してみてくださいね!!
【使用した機材】
カメラ:ミラーレス一眼カメラ Canon EOS M3
レンズ:Canon EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM
三脚:Manfrotto Befree アルミ 4段 ボール雲台キット グレー MKBFRA4D-BH
関連:ミラーレス一眼カメラ「Canon EOS M3」で撮った写真たち まとめ
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