国内旅行や海外旅行で真っ先に気になるのが飛行機と宿泊するホテルの情報でしょう。飛行機はLCC(格安航空)やマイルの使用である程度のコストを抑えつつ、ホテルは安いけど良いところに泊まりたいといった要望が強いんじゃないでしょうか。ちなみに僕はそうです(笑)
さて、2014年5月12日~13日にかけてオランダ最大の都市アムステルダムに本社を置く「Booking.com(ブッキングドットコム)」でグローバルサミットが開催されました。
Booking.comは世界最大のホテル予約サイトで、今回僕はこのグローバルサミットに僭越ながら日本人で唯一のブロガーとして招待していただきまして、同じようにドイツ、フランス、イタリア、スペイン、米国、カナダ、ブラジル、中国など合計14ヵ国のブロガーとメディア運営者とともに参加。
Darren Huston(ダレン・ヒューストン)CEOをはじめ、さまざまなスタッフや海外スタッフによる発表とトークが行われました。Booking.comがどのような姿勢でサービスを行っているのか、客の心をつかんでいる秘訣は何かなどといった、いわば企業秘密にも近い情報を取材することができたので、その様子をお伝えしたいと思います。
Booking.comはホテル予約に特化した世界最大のサイト
日本人にとって馴染み深い旅行会社を挙げてみると「楽天トラベル」や「じゃらん」、「JTB」、「HIS」あたりが思い浮かぶでしょうか。
海外勢としては「Expedia(エクスペディア)」や「Hotels.com(ホテルズドットコム)」を利用したことがある人も多いことでしょう。
日本最大級と呼ばれているのは楽天トラベルやじゃらんで、業界最大級はHIS。Expediaは世界最大の旅行予約サイトとうたっています。
正直なところ、日本では「Booking.com(ブッキングドットコム)」を知らない人が多いかもしれませんね。サミットで公開されたデータを基に紹介すると、Booking.comは現在42言語に対応し、201ヶ国にある46万軒以上の宿泊施設を掲載、世界最大のホテル予約サイトです。もちろん、国内の宿泊施設の検索&予約にも対応。現地オフィス数は世界50ヶ国に130社にのぼります。
大きな特徴は料金が後払いなこと。そして、ほとんどの場合、到着日24時間前までのキャンセル料がなし!す、すごいですね~。日本人スタッフがいますし、予約後に日本語でメールを送ってくれるので安心です。ホテルを半額で泊まれるシークレットセールを教えてくれるメールマガジンも配信しています。
面白かったのが2013年秋に実施したハロウィーンのキャンペーン。なんと、幽霊が出ると噂のホテルを特集し、ハロウィーンに季節に宿泊を促すもの。
“勇気があるなら幽霊屋敷に泊まってみたら?”というキャッチコピーがやけに緊張感を誘います。アメリカでは肝試しとして、こういった幽霊の出そうなホテルが人気とのこと。世界中のホテルを紹介するBooking.comだからこそできるキャンペーンでしょうね!
お客様のレビューがお客様を生む
僕がオランダのアムステルダムを訪れた理由はBooking.comのグローバルサミットに参加するためです。
グローバルサミットでは朝食レセプションの後にBooking.comについての解説やコンテンツとカスタマーサービスに関するディスカッション、本社見学などが行われました。
Booking.comのCEOであるDarren Huston(ダレン・ヒューストン)の話によると、「(日本を例に挙げると)日本人が使いやすいようコンテンツをすべて手作業でローカライズしているし、欲しい情報を掲載している。日本ではまだ利用客が小規模ではあるものの、2009年と比べてずいぶん増えた。」といいます。
Amazonにしろ、楽天市場にしろ、商品を使ってみた人による感想(レビュー)を見て購入を決める人が多いですよね。数年前と違って今では広告のキャッチコピーじゃなくレビューが大きな判断材料になっているわけです。
サイトの利用客が多いからこそ集めることができるレビュー(ホテルに宿泊した感想)をコンテンツにでき、そのレビューを基にして再び利用客を集め、予約につなげる。そういったサイクルがBooking.comの強みであると感じました。
利用客を満足させるのはそれだけではありません。驚くほど厚いサポート体制によって、電話やメール、SNSからの問い合わせに24時間・年中無休で対応。カスタマーサポートの内容についてはあまりにも凄いので詳細はまた次の機会にレポートしますが、お客様の要望に応える「おもてなし精神」にビックリしました。
独特なマーケティングでブランド認知に差
CMOのPaul Hennessy(ポール・ヘネシー)の話もたいへん貴重でした。宿泊施設の正しい選択こそが、最高の宿泊・旅行体験につながると。
旅行から帰ってきてお土産話をする際に、なかなかレンタカーの話をする人はいませんよね。ほとんどの人が観光地やホテルの話題をします。だからこそ、Booking.comはすべてのスタッフがお客様に正しい経験を提供すること(それをDelight of Rightと呼んでいる)やお客様が嬉しいと思ってくれることを目的にし、お客様は常に一番中心にいるべき存在としています。
Webから直接アクセスしてくるお客様はそう多くはなく、トラフィックのデータを分析してみると、Booking.comを知っている人は10%以下だそうです。これはマーケティングのやり方がオンライン上だけという理由もあり、ブランドの認知に問題があるといった見方ができます。
日本人が旅行するときにどのサイトを見るか、そう想像していただくとわかりやすいかもしれません。そのときにBooking.comを開く人がどのくらいいるか。正直、日本だとそれほど多くないでしょう。
今回、世界各国からブロガーやメディアが呼ばれてグローバルサミットが行われた理由の1つに、こういった地域ごとの問題を解決する目的があったのではないかと思います。逆にいうと、問題を解決すれば日本でまだまだ利用者の拡大が図れると。
僕はポールと直接話をし、街中でどこを見てもずっとスマホを触っている日本人の様子を例に挙げ、モバイルでのサービス強化を提案しました。すると、モバイルは急に泊まりたい用途に向いていると考えているので現状ではPC版とモバイル版はサービス内容に差があるが、近い将来にモバイル版のサービス拡充を予定しているらしい返答をいただきました。これは実に楽しみですね!
新たにバケーション予約サイト「Villas.com」がオープン
日本人にはあまり馴染みがないバケーション。ヨーロッパの人は1ヵ月を超えるような休暇を取り、リゾート地でのんびり過ごす習慣があります。
バケーションでの宿泊地はホテルではなく、レンタルアパートやマンションを利用するんだとか。予約はホテルと違っていて、アパートやマンションを貸してくれるオーナーとの予約のやり取りはメールが普通であり、利用者にとって非常に予約に手間がかかるそうです。
そこで、アパートやマンションを貸したいオーナーと宿泊したい利用客の間に入って予約や決済のサービスを提供する新サイト「Villas.com」をオープンしました。
カテゴリやフィルタリング機能が豊富で、BBQの可否や駐車場の有無、ビーチから100mなどの条件を指定して宿泊地を探すことができます。
また、カスタマーサービスにBooking.comで培ったノウハウを導入し、24時間対応のカスタマーサービスと多言語での受け答えが可能である点も安心でしょうね。
オフィスや社員の雰囲気が素晴らしい!
アムステルダム本社の外観は歴史ある銀行の建物を生かしつつ、中身はキレイで仕事しやそうな環境に。
サラダからデザートまで社員が好きなように取って食べられるランチは羨ましかったし、まるで大学のキャンパスにいる学生のように社員同士が気軽に交流しながら働ける環境は素晴らしいと思いました。
ちょうどランチ時だったのでここのオフィスは空っぽでしたが、立ちながらパソコンがいじれるデスクもあり、これは眠気に負けず作業に集中できそう!
社内の廊下は自転車の通行がOKのようで、これにはビックリ!
社員が2対2のダブルスで本格的な卓球をやってた(笑)
ランチが食べられる場所は複数ありましたし、こういうのびのびできる環境で働けるのは良いですね!Googleもそうですけど、働く場所や雰囲気が良い会社は斬新なアイデアを生んだりしっかりしたサービスを提供していたりするイメージがありますが、それはあながちハズレではないようです。
@asuka_xpの感想
事前の交流会やツアーも含めて3日間にわたって行われたグローバルサミットでは、他国のブロガーとの出会いや貴重なブログ話も聞くことができ、僕にとってかけがえのない体験でした。美しい街並みのアムステルダムの様子や楽しいツアーについてはまた他の機会にレポートすることにしますね。
今回、グローバルサミットで僕が心に残ったことをかいつまんでレポートしましたが、次回は最大の強みであると感じたカスタマーサポートについて書きたいと思っています。海外ホテルを予約する際には間違いなくBooking.comが一番なので、そのメリットをお伝えしたいです。
いや~、すごく良かった!!
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