地域活性化とか地方創生なんていうキーワードがバンバン出てきて、世の中いろいろな施策をしているようですけど、その効果はどうなのか、一体どのくらいの経済効果を生んでいるのかとか、地元で何人の雇用を生んでいるとか、それによって移住者が増えたとか、やっぱりデータって必要だと思うんですよね。
ただ、そこで最初に言っておきたいのは、実施してそれがすぐに成果を生むわけじゃないということ。長い目で見て効果を測定する必要がある。ブログでいうと「ブログを初めて1ヵ月で20万PV達成!」って物凄く嬉しいことだけど、それが1年後も5年後も増やし続けられるのか、もしくは堅調さを持続できるのか。
瞬間的な手応えはあっても、その先もいい感じでいられるのかどうか。まぁ、ブログの場合はぜんぜんお金をかけずに自分で改良したり記事を書いたりできるけどね。改良できてなくてすみません。。。
話を戻して、地域活性化では自治体と企業、研究機関、大学、個人など、絶対にたくさんの人が絡んできますし、準備もたいへんだろうし、何か対策を実施しても効果はすぐに目に見えるものじゃないでしょう。
そして、それ以前に重要なのは地域活性化に向けた対策には地域で起こっていることや人の流れ、お金の流れなどを分析すること。ただ闇雲にやればいいんじゃなくて、しっかり分析してから行動する。そのための便利なツールが国によって開発されていることを知りました。
「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」の勉強会に参加
先日勢いで参加してきたんですが、世の中にあるビッグデータを活用し、地域がどんな状況なのかを具体的な数値や記録から誰でも見ることができる「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」の勉強会が2015年10月28日に開催されました。
僕はgooアンバサダーがきっかけでお友達になった苔口さんからFacebookで誘われたので、なんか面白そうだしとりあえず行ってみっかって軽いノリで参加。フタを開けてみたらブロガーで参加したのは僕だけだし、とんでもないメンバーだし、会場もすごいし、ブロガーあるある的な「何で来ちまったんだろう俺」状態でした(笑)
会場はなんと、国会議事堂前にある衆議院第二議員会館。もちろん、記事にするなんて予想もしていなかったので写真も撮ってない。。。ただ、東京都三鷹市の地域活性化を目指す好齢ビジネスパートナーズの一員であり、ブログ「オレガジェット」を運営してる岡部さんが会場にスタッフとしていたのが救いだったり救いじゃなかったりしたので、岡部さんが撮っていた写真をお借りしま~す。
まるで空港の保安検査場のような厳重なセキュリティチェックを受けた後、会場の5階へ。僕はアベさんをdisったりしてないので、捕まらずに済みました。
前置きが長くなったので本編は短めにいきたいと思いますが(おぃ)、どうか誰かの役に立てばいいな~と思い、レポートを書いておきますね!
RESASは地域活性化に役立てるためのツール
僕が5分ほど遅れて会場入りすると、衆議院議員で地方創生大臣補佐官の伊藤達也さんが「RESAS(リーサス)は地域の現状と課題の見える化が最大の目的である」とおっしゃっていました。
一番お偉い方のお話を少ししか聞けなかった自分に鞭を打ってこの記事を書いているわけですが、そのRESASって一体何なのかというと、地域においてどんな産業がどんな効果を生んでいるのか、人はどこからどこへ流れているのか、どんな農作物の出荷が多いのか、なんてことがピンポイントでわかる地域経済を分析できる凄まじいシステムなんです。
僕は行き過ぎた個人情報の保護は世の中を不便にすると考えているので、某ポイントカードとかスマホアプリの位置情報とか、それを提供することで面白くて便利なサービスにつながるのならバンバン提供しますよというスタンスなので、対個人の場合を除き、気にせず位置情報は企業へ提供しています。何が言いたいかというと、つまりは、一部の人から受け取っている行動や消費データを蓄積し、そのデータが基になって個人が特定されない形で移動や消費行動がわかるツールがRESASなんです。何%とか、何千人とか、そこに僕の個人名が表示されるわけではありません。
どうも「個人情報」ってキーワードがつくとマイナスのイメージばかりがクローズアップされるんだけど、こういったデータは人々の幸せのために使われるべきなんですよね。今回参加した勉強会ではRESASの特徴についてが前半を占めていまして、少なくとも僕はRESASには地域活性化や地方創生について明るいイメージを持てたし、個人情報を名前や住所レベルまで特定できるものでもなく、負の要素はまったく感じませんでした。
どのようにRESASを活用できるのか
じゃあ、RESASを活用することでどんなことができるのよ?っていうのは、めちゃくちゃトークが面白い内閣府大臣官房総務課の早田豪企画官からお聞きした内容を踏まえてお届けしたいと思います。
RESASは石破茂大臣が推進する地域経済分析システムで、内閣府の「まち・ひと・しごと創生本部」が開発を進めています。早田さんによると、現在のRESASは2015年9月にリリースしたバージョン2が最新版とのこと。このバージョン2は2-Aという位置づけになっていて、今後2-B、2-Cといった具合に3段階のバージョンアップを予定しているんだとか。iOSみたいに9.1とか9.2よりもA,B,Cの方がわかりやすいといったとこでしょうかね。
どんな情報を見ることができるのかというと、まるでGoogleマップのレイヤーのように「産業マップ」「農業マップ」「観光マップ」「人口マップ」「自治体比例マップ」なんていう地図機能が使え、ここで指定した地域の各情報が地図上に現れ、色や矢印、グラフなどでグラフィカルにデータを見ることができます。まさに最初に伊藤達也地方創生大臣補佐官がおっしゃっていた「地域の現状の見える化」がこれです。
産業マップの「稼ぐ力分析」の例がこちら。2012年の石川県金沢市にフォーカスしてみたのがこちら。
また、「人口マップ」では人の流れがわかります。何時の時点でどの年齢の人がどのくらいこの地域にいるのかを見ることが可能なので、朝4時にこの地域にいるならそれはおよそ住民であると過程できますよね。まぁ、宿泊者もいるかもしれませんがそれはまた別でやるとして、ここで言いたいのは、住民がわかれば、残りは仕事や遊びでこの地を訪れる人だということがわかるんです。さらに、どこからこの地に来ていることも調べるられるので、もっと深い分析ができます。
その結果、ここに定住する人をこれ以上増やすのは難しいかもしれない、だったら訪れる人をもっと増やす努力をしようとか、何かしらの方向性が見えて対策を考えられるわけ。人口数がわかるのは簡単だけど、訪れる人の数を把握し、どこから来るのか、またもっと細かいデータまで調べられるんです。
面白かったのは、2時間以上そこに滞在する「滞在人口」という言葉があること。居住している実際の人口に比べて何倍の人が2時間以上滞在するのかがわかります。僕なんかは江東区に住んでいますが、週に1度は渋谷で2時間以上いたりするので、そういう点では僕は週に1度、渋谷の滞在人口に含まれているといえます(笑)千代田区は人口の553倍とかハンパない!!
RESASの活用には面白い事例があって、ある地方の温泉宿が今まで東京など大都市にばかり広告を出していたが、分析をしてみたところ実は隣県からのリピート客が多いことが判明し、もっと隣県にPRするようにしたんだそうです。
また、何歳の女性がどこからどこへ転出・転入したかも調べられます。おぃおぃ、三軒茶屋から恵比寿に引っ越して、その次は銀座、豊洲ときて、代々木上原、最後はまた三軒茶屋かよ!ってそこまで個人の行動はわからないけど、ふわっとした情報はわかるので、このデータから他県への人口流出を防ぐにはどうしたらいいかといった対策を錬れるわけです。
わかりやすいのは下の例。これは2014年に石川県金沢市への人口の流入元(赤)と金沢市からの流出先(青)を示したものです。
金沢市へ来る人は全国各地からですが(赤)、金沢市から出て行く人は大都市圏(青)というのがよくわかります。
地域活動の勉強になったし、良い刺激になった!
僕はこのRESASの勉強会には初参加だったし、実際に地域経済を分析してどうこうしようという当事者でもないので、すべてが新鮮でしたね。こんなデータもわかるのか~と。
それ以上に、参加している人のほとんどがNPOとかで何かしら地域活性化の活動をしている人たちだったのがビックリ。RESASの勉強会の後半にはそんなNPOの方々の活動報告を兼ねたLT(ライトニングトーク)が行われ、そんなところに着目したのか~と驚くことばかりでした。ブログで地域の良さを発信している人は多いけど、実際に地域を良くしていこうと行動しているNPOさんの活動報告を見て、やはり生の声を聞くのはこういった場に参加したからこその良さだな~と感じました。
いろいろな活動をしている人との出会いの場にもなったし、僕は最初に「場違いなところに来ちゃったな~」と思ったのですが、結果的には非常に良い刺激と良い出会いの場となりました!ぜひ、次回開催の際にはまた参加したいと思います。
僕はブロガーとして信州の良さを伝える旅企画や福島県の魅力など、旅行を通じてたくさんの地方の町おこしとか地域活性化の企画に参加してきましたが、何かブログでやれることがあれば今後も積極的に活動してきたいです!!
もう1度言っておくと、RESASは誰でも使えますので、どうぞ使ってみてくださいね~。
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