ユネスコ世界自然遺産に認定されている北海道・東部の知床半島。なかでも最も注目を集めているのは大自然や生態系がそのまま残っている「知床岬」でしょう。
しかし、知床岬へのアクセスはたいへん困難で、車を使って行くことはできません。知床半島の途中まではもちろん道路がありますし、車で行けます。
ということで、知床半島・羅臼町にある「道道87号線」の“道の終わり”に行ってみました!
(キケン!道なし!)
(現在地は“相泊”)
道道87号線は羅臼町の繁華街・富士見町から始まり、道の最北端は羅臼町・相泊(あいどまり)地区の相泊橋。ここが知床半島の舗装された道路としては最果ての地ということになります!
道の終わり、最果ての地、ピューと風の吹く音と海岸に打ち寄せる波の音だけが響く非常に寂しい場所です。
2017年6月に相泊を訪れると、ちょうどレンジャーと思われる地元の方がいて、今、この先にヒグマがいるからこれ以上行かない方がいい!と言われました。
ま、マジかよ。。。
まさに生態系が保護された世界自然遺産。確かに、知床半島はヒグマの密集地帯で、ヒグマが多く生息しています。道路の末端である相泊から先(知床岬方面)へ進もうとすると徒歩での移動になりますが、常にヒグマと遭遇するリスクがあります。軽い気持ちで散策しようとすると非常に危険。なので、相泊の駐車場にはこんな看板があったり。また、これ以上先に進む場合は隣の入林箱に名前を書くことが決められています。
しかし、相泊地区には「番屋」と呼ばれる小屋がたくさんあります。どうしてこんな場所に建物があるのかというと、昆布漁やマス漁を行う漁師さんがここで寝泊まりするため。日本一高級な「羅臼昆布」は漁師さんが命がけで作っているんです。
そして、そんな番屋が立ち並ぶ相泊地区と瀬石地区にはダイナミックな場所にある秘湯「相泊温泉」「瀬石温泉」がありますよ!
相泊温泉(Aidomari Hot Spring)
相泊温泉は羅臼町・相泊の海岸線にある温泉。知床半島で最も先端にある温泉施設と言っていいでしょう。砂利を掘って木枠で囲った湯船が設置されていますが、冬季は利用できず、また波によっては湯船が砂利に埋まってしまい利用できない日も多々あります。夏になると湯船を囲むように小屋が建てられて、入浴可能に。それ以外の季節はオープンな湯船となります(笑)
(2016年5月の様子)
脱衣所はないため、女性は水着があるといいでしょう。羅臼町役場からの業務委託を受けた管理人さんが維持管理・清掃を行っています。
2016年5月末に行ったときにはオホーツク海を前に、奥に見える国後島を見ながら入浴。
2017年6月に訪れると、相泊温泉の姿は跡形もなくなっていました。どうやら2016年10月の台風の影響で、浴槽そのものが岩や砂利で埋まってしまったようです。
2017年は6月中旬にオープンする予定とのこと。ちなみに、駐車場の隣に公衆トイレはあるものの、相泊温泉のオープン期間以外では公衆トイレは使用できませんのでご注意くださいね。
【相泊温泉(Aidomari Hot Spring)】
■入浴可能期間:5月~9月(もしくは6月~湯船が埋まるまで)
■休館日:火曜日
■場所:北海道目梨郡羅臼町相泊
瀬石温泉(Seseki Hot Spring)
また、相泊よりも南にある瀬石温泉は明治32年(1899年)に発見された岩礁から湧き出ている温泉。海岸にあるため、満潮時には海に沈み、潮が引いた後にだけ入浴できるまさに幻の秘湯!
2つの湯船がありますが男女が分かれているわけではなく、混浴です。脱衣所やシャワーは当然ありません。2016年5月末に訪れたときには湯船のなかに海藻がたくさん入り込んでいて、かなりレアな体験をしました。下の写真は2017年6月の様子。
というのも、基本的には7月~9月が入浴可能期間で、管理を行っている濱澤水産が干潮時に毎日掃除しています。僕が行った2016年に海藻だらけだったのは期間外だったせいでした(^_^;)
バスで行く場合は阿寒バス(Akan Bus)に乗って「セセキ(Seseki Bus Stop)」で下車。すぐ目の前です!
【瀬石温泉(Seseki Hot Spring)】
■入浴可能期間:7月~9月
■場所:北海道目梨郡羅臼町瀬石
ルサフィールドハウス(Rusa Field House)
知床半島の先っちょを目指す人に向けた無料の観光ガイド施設が「ルサフィールドハウス」。瀬石温泉よりも南にあり、羅臼町の中心から相泊を目指す途中の道道87号線沿いにあります。
登山・トレッキング利用者やシーカヤック利用者に対し、ヒグマ関連の情報提供やルートの近況確認、クマ対策アイテムのレンタルなどを行っている施設です。
【ルサフィールドハウス(Rusa Field House)】
■営業日時:5月~10月の9時~17時
■休館日:火曜日
■住所:北海道目梨郡羅臼町北浜8番地
レアな体験がたくさんできる北海道・羅臼町
世界自然遺産の知床ですが、羅臼町の相泊エリアはこんなワイルドでレアな体験ができる場所ということがわかっていただけたでしょうか!
今回、ホテルは羅臼町にある「羅臼の宿 まるみ(Marumi)」にご好意で泊めさせていただいて知床を一週間取材したのですが、ホテルのすぐ近くにはセイコーマート(コンビニ)があったり、目の前が素晴らしい景色を楽しめる絶景だったりと、ほんとに羅臼町は過ごしやすい場所だな~とつくづく思いました。移動には車やバス、タクシーが必須ですけど、魅力がたっぷりある町ですよ!
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