ソフトバンクモバイルがこの冬モデルからケータイに同梱している取扱説明書のページ数を3分の1に減らしました。僕はこの施策に対してとても素晴らしいと思い、賛成しています。
■取扱説明書の薄型化による環境への取り組みについて(ソフトバンクモバイル)
https://www.softbankmobile.co.jp/ja/news/press/2008/20081118_01/index.html
紙資源使用量を約67%削減できるとのことで、企業イメージ的にはエコやユーザーの使い勝手の向上を表にしてるものです。
しかし、この効果は用紙代・商業印刷コストなどの削減に大いに寄与するといえます。
僕は出版社に勤めているので今回のソフトバンクの気持ちがわかるのですが、用紙代って意外とバカにならない。原料価格の高騰で、用紙も製本もインクにかかる費用だって、みんな値上げしてるんです。
実際に、大王製紙、王子製紙、日本製紙、北越製紙、中越パルプ工業、三菱製紙など製紙メーカー各社はすでに、2006年に2回、2007年7月にも値上げを実施。さらに2008年5月~6月には最大15%値上げしています。
ケータイなんてどんどん進化するものですし、機能拡大に応じてしっかりした機能説明を取扱説明書に明記しなければなりません。取扱説明書のページ数は新機能が搭載されるたびに増加していき、いつかは広辞苑くらいの厚さになってしまう恐れも否定できません。100ページの本と300ページの本のコストは同じはずはありませんから、最終的に取扱説明書を有料化するか、製品であるケータイ機種の値上げが迫られるわけです。
そのようななかで打ち出しされたのが、ソフトバンクの「取扱説明書を3分の1に薄型化する」でした。
単純によく使う機能だけを明記した薄型の取扱説明書をケータイに同梱し、詳細が知りたい人はお客様センターかオンラインショップで申し込んで詳細版の取扱説明書(製本されたもの)を有料で手に入れられるほか、Web上でなら無料で閲覧できるというものです。
薄型の取扱説明書を採用した「AQUOSケータイ FULLTOUCH SoftBank 931SH」
確かに、取扱説明書なんて全体を軽く見る程度です。人によってはまったく読まないという人もいるくらいです。しかも、ぶ厚くなればなるほど、取扱説明書に目を通すのが面倒くさくなる。
しかし、取扱説明書がないと困る場合もありますよね。従来からのオンラインマニュアルサービスもありますが、今回のように基本機能は同梱されている薄型版を読めばいいし、薄くなっているので気持ち的にも読みやすくなっています。
さらに、Webで詳細版を無料で読めるというのはたいへん理にかなっています。
Webにつながればどこでも調べられるし、重い取扱説明書を持ち運ぶこともありません。PDFなので検索もできます。
エコにもなるし、ソフトバンクにとってはコスト削減にもなり、ユーザーへの価格転嫁(コストの製品価格上乗せ)もありません。ましてや、上記のようなメリットの方が大きいのです。もともとWeb上でマニュアルは公開されていましたが、この施策によって、Webにマニュアルがあるのか!と知る人も多いでしょう。
まだ冬モデルの一部の機種だけの実施となっていますが、このような薄型化はどんどん進めていってほしいと思います。
ちなみに、最新機種の「AQUOSケータイ FULLTOUCH SoftBank 931SH」の取扱説明書は全376ページです。