僕は「日高屋」の餃子や「東秀」の回鍋肉、「餃子の王将」の牛骨ラーメンが大好きな人間です。ゴマ油、ニンニク、豆板醤、ラー油など、中華っていうとギトギトの油とピリ辛が美味しいんですよね~!カロリーの塊のような料理。あれはたまらん!
そんな僕は2015年1月26日、中国食文化研究所所長の中西純一さんが主催する「美食会2015」にご招待いただきまして、東京・銀座にある「北京宮廷料理『涵梅舫』(かんめいほう)銀座店」にて本物の中華料理をいただいて来てしまいました。
餃子も回鍋肉もラーメンも出ないどころか、“美と健康の宮廷料理”とうたうコースメニュー。
その内容はこれまでの中華料理のイメージを丸っきり変えてしまうものだったのです。
それでは、まずは僕が龍須面以外はまったく漢字が読めなかったこちらのメニュー一覧を御覧ください。
- 藝術彩拼:宮廷風前菜の盛り合わせ
- 菊花豆腐:特製豆腐入り魚の浮袋スープ
- 黄燜魚趐:宮廷風フカヒレ姿煮込み
- 黒椒鹿肉:鹿肉黒胡椒炒め
- 蟹粉尤魚蛋:蟹味噌入りイカ玉子姿煮
- 灌湯龍蝦球:スープ入り海老団子唐揚げ
- 烏龍戯珠:ナマコとウズラ玉子煮込み
- 炉肉火鍋:豚腹肉焼き、白菜の鍋物
- 宮廷点心:宮廷風点心の盛り合わせ
これに加えて龍須面(りゅうすうめん)の実演が行われました。
店内はかなり高級そうな雰囲気が漂っています。
前菜にあたる料理がこちら。芸術品のような美しさ。
鳥の黄色い胴体は漬物でできていて、尾は寒天。足は人参です。キュウリの細かい細工にはため息。
そのほかはチャーシューや白菜、くるみ、れんこんの揚げ物などです。
スープに浮かぶ花のように見えるものは、なんと豆腐!いったい、どのように作っているのか不思議でたまりません。
こういった驚きながら味わうのも中華料理の楽しみ方なんだそうです。スープはいい香りが広がって、美味しい。
スープの底にあったのは、サメの唇!これがまたキクラゲのようなコリコリの食感。もちろん、初体験ですよ。
さて、中華料理といったら紹興酒でしょう。
左から8年もの、10年もの、20年ものの紹興酒「女児紅(にょじこう)」をいただきました。
飲み比べてみると違いは明らかで、20年ものは渋みがほとんどなく一番おいしい!まぁ、あまり飲んじゃうとこの後もたくさん出てくる料理が食べられなくなりそうなので、ほどほどにしておきました。
続けて、生きてて良かった~と思ってしまうフカヒレのご登場です。
ご存知、コラーゲンたっぷりで老化防止になるといわれているフカヒレに、丸鶏・干し貝・金華ハム・豚のすね肉など6時間かけて煮込んだ極上スープが絶品。とろとろのフカヒレに舌鼓。
ちなみに、このスープは煮込み過ぎてもダメなんだとか。
ご親切にゼリー状になったスープの元を見せてもらうことに。プルプル!
同席していた皆さんはこのスープを持って帰りたいと懇願しておりました(笑)
こちらは鹿肉の黒胡椒焼き。想像を絶する美味さ。鹿というと臭みが嫌われることが多いと思いますが、これはまったくまったくまったく臭みがない。
めっちゃくちゃ柔らかく、噛む前に切れてしまうほど。こんな素晴らしい鹿肉料理は他ではそう食べられないんじゃないでしょうか。黒胡椒が効いてて程よくスパイシー。
次の料理はみんなして目を疑いました。
何ですかこれは!
人参を掘って作られた龍です!ドラゴンです!
十数本の人参を使い、2~3時間で作れるんだとか。過去には10メートル級のも作ったことがあるそうです。
カボチャで作られた器の中に「卵」のようなものが。これは一体何だ?
ゆで卵。。。ですよね?
割ってみると、中には蟹ミソが!!
蟹ミソが入ったゆで卵を特製のタレにたっぷり付けて食べてみると。。。
ショックはこれだけではありませんでした。
コレ、ゆで卵じゃなくイカだったのです!!
口に入れた瞬間にイカの風味が広がり、あぁ、ゆで卵じゃなかったのか!とドッキリを仕掛けられた悔しさが!でも、うまい。
続いてはスープ入り海老団子の唐揚げです。海老がすげぇ。
店主のチョウさんによると、海老団子の唐揚げはさらなる仕掛けがあると言います。
・・・。
ストローを海老団子の唐揚げに挿し、吸えというのです!
すると、中にはアツアツのスープが!!!
小籠包のような団子だったわけです。これにはまたまたやられてしまいましたよ。
次に出てきたのがナマコ。
プルプルでこれもまたフカヒレのように健康に良さそう。
ちなみに、ナマコはブツブツが多ければ多いほど高級で、中国ではフカヒレよりも高級品とされているんだとか。
ナマコそのものには味がなく、濃いめのタレがかかっています。これがナマコに合い、絶品。食感もおもしろいです。
こちらがナマコの乾物。水で戻すのに3日もかかる。手間暇がかかるんですなぁ。
添えてあるチンゲンサイがすっごく可愛い。中央はうずらの卵煮です。
さて、火鍋です。豚腹の肉焼きと白菜の鍋物。
鍋のスープは先ほどと同じ、金華ハムや干し貝などを6時間かけて作ったスープ。美味くないはずがない!
豚肉をピリ辛のタレに付けて食べる。辛い。僕としてはそのまま食べる方が美味しく感じました。スープはきれいに飲み干しましたよ!
ここでチャーハンをお迎えしました。チャーハンもまったく手抜きしていない。小さく見えるツブツブは海老の卵を乾燥したもの。また、具には十数種類の野菜や魚介類、肉が入っています。なんとも贅沢なチャーハン!
せっかくなので、このチャーハンを火鍋のスープにつけて食べる。これがまた最高に美味い!汁物とご飯の相性は最強です。
ふぅ。もう満腹だよ。と思っていると急に世界の雰囲気が変わり、ラスボスが登場。
なんですかコレは!!!
これこそが宮廷点心。
中華料理には甘い点心、辛い点心があって、これはデザートっぽく甘い点心の盛り合わせになっています。
金魚とか鶴(白鳥?)がものすごくリアルで、可愛くて、しばらく食べることができませんでした。甘くて美味しかったですが(笑)
さらにもう1品。
実は料理の途中で実演があった「龍須面(りゅうすめん)」が姿を変えて登場。
これが麺ですよ!?
この麺こそが「龍須面」。
どのように作ったのか、実演してくださったものをVine動画と写真で撮っておきましたので御覧ください。
これがこんな細さに!
茹でると水に溶けてしまうので、60度の油で揚げて先ほどのデザートを作っています。
あんずのシロップをかけて食べる。サクサク・ふわふわのお菓子になっちゃいました!
知らなかった北京宮廷料理と中華料理
中西さんがおっしゃるには、ちゃんとした中華料理を食べたいのであれば、一週間以上前に予約した方が良いそうです。ナマコのように乾物から水で戻すのに3日間かかるようなものもあるからだそうです。
最後に店主のチョウさんの言葉がジーンと響きました。中華料理というと脂っこい、辛いというイメージが根付いてしまった。だけど、それは心痛い。当店の厨房は通常3人でいいところを5人でやってる。そのくらい皆さんには本物の中華料理を提供したい。本物の中華料理を食べてもらいたい。と。
僕がよく口にする広東料理や四川料理が中華料理として日本人に馴染んでいるのは確かで、めちゃくちゃ好きだけど、涵梅舫が自信を持って提供している北京宮廷料理もまた中華料理。
長い歴史と広大な国土を持ち、食材が豊富な中国で生まれた料理はまだまだ知らないものがきっとたくさんあるんでしょうね。そんな中国の素晴らしい料理を新たに知ることができ、今回の美食会は本当にありがたいものでした。
今回のコースは一人2万円でオーダーできるディナーの宮廷料理のほか、ミニ宮廷風コース(6,000円)、レディースコース(3,800円)、ランチコース(3,800円)、飲茶コース(2,800円)などもありますので、ちょっと贅沢かもしれないけど涵梅舫の宮廷料理を味わってみるのも良いのではないでしょうか。
※いずれのコースも2名以上でオーダー可能
(投稿当初、今回のコースは1万円と表記していましたが、2万円の間違えでした)
「北京宮廷料理『涵梅舫』銀座店」は銀座一丁目駅から近い場所にあり、有楽町駅からもアクセス抜群です。
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