2015年10月以降、住民票のあるすべての国民に対してマイナンバー(個人番号)が振られた通知「個人番号カード」が届きます。もう手元に届いた人もいるかもしれませんね。
11月2日、僕は江東区が開催したマイナンバー説明会に参加し、マイナンバーとはどんな制度なのか、住民へのメリットは何なのか。また、マイナンバーのなりすましやセキュリティーに関する安全性は大丈夫なのか、など実にたくさんの説明を聞いてきました。
前回の記事に書いた「マイナンバーはいつ届くの?」に続き、今回はマイナンバー制度そのもののメリットや多くの不安を伴う質問とその回答を記事にまとめておこうと思います。
なぜマイナンバー制度が始まるのか?
説明会でお聞きしたマイナンバー制度の導入について、以下の3点が挙げられました。効率化による国民が負担する手間の削減と税金の無駄使いをなくす狙いがあります。
- マイナンバーの導入によって情報の連携が可能になり、年金や福祉などの申請時にわざわざ用意する書類が減るなどの国民の利便性が向上する(提出する書類が減る)。
- 行政事務が効率化(発行する書類が減る、人件費が削減できるなど)。年金の記載漏れもなくなる。
- 公平公正な社会の実現。働いているかどうかが把握できるため、収入がないなどとウソをついて生活保護を受けている人がいるという問題を解消できる。つまり、税金を無駄使いしないで済む。
「マイナンバー通知カード」の見本
「個人番号カード」のメリットの方が大きい
マイナンバー、マイナンバーと言われますが、実はマイナンバーには単純な機能しか持たない「マイナンバー通知カード」と身分証明書として使える「個人番号カード」の2種類があります。
「マイナンバー通知カード」
実は「マイナンバー通知カード」だけではほとんど何もできません。マイナンバー(個人番号)がわかるだけです。このカードと運転免許証、パスポートなどと一緒に提出することではじめて効力を発揮するようになっているのです。例えば、レンタルビデオショップの会員になろうとしても、「マイナンバー通知カード」では申し込みできません。
「個人番号カード」
もう1つの方の「個人番号カード」は裏面にマイナンバー(個人番号)が記載されていて、顔写真がついているので身分証明書として使え、レンタルビデオショップの会員申し込みも可能です。区役所で住民票の写しを発行する際など、これ1枚でさまざまな書類を発行できるので便利。なお、「個人番号カード」は「マイナンバー通知カード」が届いてから自分で発行を申し込む必要があります(別の機会にまた記事に書きますね)。
2016年1月以降、「個人番号カード」があればコンビニで住民票の写し、印鑑証明書、課税証明書などの発行が可能になるほか、ICのチップが内蔵されているので税の申告時にe-Taxの認証カードとして使えるようになります。
「個人番号カード」の見本
「マイナンバー通知カード」も「個人番号カード」もどちらも一生付き合っていくカードとなるのですが、「個人番号カード」の方が明らかに便利で利用価値があるので、絶対に「マイナンバー通知カード」が届き次第「個人番号カード」の作成を申し込むことをオススメします!
マイナンバーの誤解
「マイナンバー通知カード」や「個人番号カード」では個人情報が何でもわかってしまうと勘違いしている人が多いそうです。実は、あくまでもカードに印字されている情報のみしかわかりません。カードに所得のデータ、病気の履歴、年金といったデータが記録されているわけではありません。
たとえ「マイナンバー通知カード」や「個人番号カード」を落としてしまい誰かがそれを拾ったとしても、先ほども言ったとおり「マイナンバー通知カード」はそれ1枚では何の効力も発揮しませんし、「個人番号カード」には本人の顔写真が付いているのでむやみに悪用できないようになっています。
最後に、区の説明会で副業について質問してみたところ、働いている人は勤務先にマイナンバー(個人番号)を教えることになりますが、例え副業をしていてもメインの勤務先やサブの勤務先へは勤務状況や他の収入があることはわからないそうです。つまり、A社はB社での勤務情報を知ることができないので、基本的には副業はバレないとおっしゃっていました。
とはいえ、マイナンバーは他人にむやみに教えない!
今回の説明会に参加し、マイナンバーは思っていたよりも安全である印象を受けました。そして、マイナンバー(個人番号)を教える機会は非常に限られていて、税・社会福祉・災害の分野でのみに限定されています。よって、税・社会福祉・災害に関する申請以外のときに「マイナンバーを教えて下さい」と言われたら、まず疑うようにしてください。2016年1月からは金融機関でもマイナンバーの扱いが開始しますので、それも加えて覚えておきましょう。
「個人番号カード」でレンタルビデオショップの会員に申し込む場合の例でいうと、もし、店員から「個人番号カードのコピーをとらせてください。」と言われたら、表面だけを許可するようにしたり、あらかじめこちらからコピーを持参して渡すようにしましょう。
まとめ
まとめますが、個人的にはウソをついて生活保護を受けている人を減らすのが一番の狙いなんじゃないなか~と思ったり。まぁ、多くの人はこのマイナンバーによって便利になりそうなので、クルマに乗らないなら「個人番号カード」が1枚あれば済みますね。
- マイナンバーによって国民が用意する書類を減らしたり、税金の無駄使いをなくせる
- 「マイナンバー通知カード」と「個人番号カード」の2種類のカードがある
- 「個人番号カード」は身分証明書になる
- 税・社会福祉・災害(+金融機関)に関する申請以外のときにマイナンバーを教えない
- マイナンバーだけでは悪用できないが、他人にはむやみに教えない
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