マクドナルド

ビッグマックからマクドナルドを見つめ直してみた

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不味くなった、割高感がある、居心地が悪い、などマクドナルドは世間から叩かれまくっています。客が離れていっているのは数字にも現れていて、2015年11月11日に発表した2015年1~9月期決算では売上が前年同期比20%減となり、上場以来最大の最終赤字となりました。かく言う僕も同社の商品開発力に熱が感じられなくなり、以前は必ず食べるようにしていた新商品に興味が湧かなくなってしまいました。9月にも書いたけど、既成品にちょっと具を足しただけの新商品にはもう懲り懲りなんですよね。

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マクドナルドの代表的なフードメニューといえば、間違いなくビッグマックでしょう。子どものころ、ビッグマックは憧れの食べ物でした。バンズ3枚とビーフパティが2枚。通常のハンバーガーとチーズバーガーを足したようなボリュームを完食できたのは、小学校高学年になってからだったと思います。

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2015年11月、バーガーキングがBIG割を実施し、言わばバーガーキング版ビッグマックである「BIG KING 4.0」を大幅に値引きするキャンペーンを実施。ワッパー系しか食べたことがなかった僕はこのキャンペーンでBIG KING 4.0を知りました。これによってバーガーキングはマクドナルドから客を奪い、BIG KING 4.0の知名度向上と売上増を果たしたことでしょう(11月29日まで実施)。

バーガーキングの戦略はすごいです。何かのサイトで見たところ、どうやらマクドナルド出身の女性社員が仕掛け人だったようですが、こんな面白い企画を思いつける人材を自社にとどめておけなかったマクドナルドはさぞかし悔しがっていることでしょう。

前置きが長くなりましたが、そういえばマクドナルドで食べるときにビッグマックをしっかり見ながら食べたことってなかったな~と思い、今回はじっくりとビッグマックを観察しながら食べることにしました。

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ビッグマックの構造を見る

おそらく、ビッグマックを見たことがない人はいないと思うんですよね。テレビCMなり、店頭なり、雑誌広告なりで、なんとなく目にしたことがあるはず。とにかくデカいハンバーガーです。ただ、このところはアメリカのハンバーガー専門店がどんどん日本に上陸し、大きなハンバーガーは珍しくなくなってしまいましたが。。。

さて、ビッグマックはこんな構造になっています。3枚のバンズと2枚の肉とレタスの層です。

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ここからは原料の生産国を含めて、もっと細かく見ていくことにします。

下層

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下層から順にいきます。土台となる1枚めのバンズがビッグマック全体を支え、その上に特製のマヨネーズソース、玉ねぎ、レタス、チーズ、ビーフパティが乗っています。この玉ねぎはアメリカ産でレタスは日本、台湾、アメリカのいずれかで生産されたもの。チーズはニュージーランド、オーストラリア、日本、アメリカです。

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ビーフパティは100%牛肉なのはご存知の通りですが、牛肉は大部分を占めるオーストラリア産のオージービーフかニュージーランド産のいずれかです。オーストラリアの加工工場にフォーカスを当てて見てみると、1日に2度も清掃するなど衛生管理を徹底しています。最終的なビーフパティにする加工は日本で行い、パティには添加物が一切なく、塩とコショウだけ。いろいろと悪い物が入ってると噂されましたが、やはり単なる噂だったわけです。

関連:おいしさができるまで(ビーフ篇) | 見える、マクドナルド品質 | McDonald’s Japan

中層

下層と上層をつなぐ中央のバンズ。

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ビッグマックとメガマックのバンズは3枚で構成されていますが、このバンズは他の商品とは違う特別なバンズです。原料の小麦粉はアメリカ、カナダ、オーストラリア。バンズは日本国内で最終加工され、出荷前の段階で実際に人が食べて確認しています。

関連:おいしさができるまで(バンズ篇) | 見える、マクドナルド品質 | McDonald’s Japan

上層

ビッグマックの上層には再び特製のマヨネーズソースと玉ねぎ、レタスが乗り、下層にあったチーズに代わって上層ではピクルスが敷かれています。ピクルスの原料であるキュウリの生産地はトルコ、スリランカ、インドです。

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そして、もう1枚のビーフパティ。

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最後にビッグマックの顔とも言えるゴマの付いたバンズでフタをして完成です。

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マクドナルドの今後に期待するメッセージ

今回、ビッグマックのパッケージに記載されているQRコードを見つけて、せっかくだしちょっと見てるか~といった行動がこの記事を書くきっかけになりました。久しぶりに食べたビッグマックは変わらぬ味で、決して「不味くなった」とは言えないおいしいものでした。新製品の開発力も大事ですが、これまでの味を守り続けることも大事なんですよね。その点でいうとマクドナルドはいくつかのメニューを廃止したり、限定メニューをレギュラー化するなど試行錯誤している最中ではあるものの、鶏肉偽装事件(2014年7月)から1年以上が経過した今もなお客足が遠のいていますし、さすがにもう鶏肉偽装事件が原因とは言えないことは明らかです。マクドナルドは一時的に効果のあるものではなく、長期に渡って効果のある打開策を実行する必要があります。

僕は期間限定メニューとして凄まじく人気のある「チキンタツタ」や「グラコロ」のレギュラー化を期待しています。これらは期間限定をうたいつつも何度も販売しているもはや“定番”の限定メニューで、そろそろ期間限定の煽り効果は薄くなっているころ。一時的な売上増はこれまで通りにはいかないはずなんですよね。それならばレギュラー化してみたらどうかな、と思うんですよ。メニューが増えすぎてオペレーションが厳しいのであれば、例えば「フィレオフィッシュ」を期間限定化するといった“入れ替え案”もあるでしょう。

上場以来、最大となる赤字に陥ったマクドナルドホールディングス。今はリストラが急務です。店舗の閉鎖や人員削減も仕方がないはず。企業なんですからそれはそれでしっかりやるべき。良いときと悪いときの波って絶対にあるし、僕は当然のこととして見守っています。だけど、社内にはバーガーキングに行って成功した有能なスタッフもいるのだから、そんな人材を見逃してはいけない。社内には素晴らしい従業員がたくさんいるはずなんです。

そして、最後にやはり新商品について言っておきますと、以前に僕が何度も参加したマクドナルドの試食イベントでいつも新商品の開発秘話を語ってくれる商品開発チームは豊富なアイディアがあるのですから、それを生かした新商品を作ってほしいです。本当は経営陣に、もっと開発チームの好きにさせろ~と言いたい(笑)期間限定メニューのレギュラー化を望むとともに、いつの日にか「マクドナルドからすごいの出たぞ!!」と誰もが思う素晴らしい新商品が出てくることを待っています。

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