ソニーが2017年4月20日に日本国内で発表したAndroid 7.0を搭載したプロジェクター「Xperia Touch (G1109・国内版)」はもはやプロジェクターにスマホを内蔵してしまったといっても過言ではないガジェットです。予約開始日は6月9日で、発売日は6月24日。参考としてソニーストアでの販売価格は149,880円(税抜)です。
4月21日より先行展示が始まった銀座ソニーショールームにてXperia Touchを実際に触ってきましたので、スペックや機能などの特長とその場で感じたことをレポートしたいと思います。
映像にタッチできるプロジェクターに感動!
まず、「Xperia Touch」の大きな特長はXPERIAブランドに“Touch”が付きますが、決して「iPod touch」のようなものモバイル端末ではなく、プロジェクターであること。
光源はレーザーで、明るさやWi-Fi搭載などその他の基本的なスペックはソニーが2016年2月に発売したポータブル超短焦点プロジェクター「LSPX-P1」とまったく同じです。壁から25cm離せば最大80インチの映像を投影可能。なお、ソニーでは80インチ以内の投影を推奨しています。
プロジェクターで投影した映像に対し、赤外線センサーによってタッチ操作を可能にし、Androidスマホ・タブレットとして使えるようにしたのが今回の新製品「Xperia Touch」です。
スマホの画面を操作するように、アプリも文字入力も動画の再生もすべて、投影した映像に触れて操作可能。面白いなぁ~!
ここで気をつけておきたいのは大きく投影してのタッチ操作は推奨していない点。説明員に聞いたところ、タッチ操作が可能なのは投影サイズが23インチまでだそうです。これは赤外線がタッチを認識する範囲が影響しているんだとか。ソニーショールームでのデモで行っていたのが23インチで、ちょうどこのデスクのサイズがタッチ可能サイズということになります。
向きを変えるとジャイロセンサーが自動的に傾きを検知し、床(デスク)と壁への投影を切り替えてくれます。下は壁への投影例。
現在はデスクや床・壁など平面でのタッチ動作を認識するだけですが、将来的にはXperia Touchに搭載のカメラを使って、身振り手振りを認識しての操作が可能になる計画もあるとのこと。
音声コントロールが便利
Androidを搭載しているということで、標準で音声コントロールが可能。「ハイ!エクスペリア」と話しかけると、音声操作モードになります。iPhoneの「ヘイ!Siri!」みたいなやつです。
「明日の東京の天気は?」としゃべりかけると、すぐに天気予報を声と画面で教えてくれます。これがスマホの場合だと、ポケットからスマホを出して、天気アプリを開いて、という動作が必要ですが、格段に楽チンだな~と感じました。スケジュールを登録・確認したり、音楽を再生したり、指定したアプリを起動するなんてことも可能です。
NetflixやYouTubeなどを起動すれば、その場ですぐに動画を投影。短焦点レンズならではのピント合わせが不要でイライラすることなく、スピーディーに視聴できるのは素晴らしいですね。友達や家族で、どこででもこれ1台あればユーチューバーのおもしろ実況を楽しめるわけですよ!
Xperia Touchのスペック&インターフェイスをチェック
スペックはCPUが1.8GHz(デュアルコア) + 1.4GHz(クアッドコア)ヘキサコア(Snapdragon 650)。RAMは3GB、ストレージは32GBを搭載。最大256GBもmicroSDXCカードを挿入できます。
インターフェイスは電源・データ転送を兼ねたUSB Type-Cが1つ、入力はHDMI Type-D(micro HDMI)が1つです。Wi-Fi(11 a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.2、NFCにも対応。Miracast sinkも。また、マイクやカメラ、スピーカーも内蔵しています。
約1,200mAhのバッテリーを内蔵し、駆動時間は実質1時間程度だそうです。このバッテリーで映画1本を観るには難しいけど、もしかしたらモバイルバッテリーにUSB Type-Cケーブルをつないで給電・充電しながら使用する、ってことも可能かもしれません(ソニー側は未確認とのこと)。
サイズは約69 x 約134 x 約143 mm。重量は約932g。軽めのノートパソコンくらいですね。
PlayStation4(PS4)のリモートプレイも
Xperiaだとお馴染みのPS4のリモートプレイがXperia Touchでも可能(説明員の話では対応するとのことでしたが、公式サイトにはすでに対応をうたっています)!
Xperia Touch本体に専用アプリ「PS4 リモートプレイ」をプリインストールしているので、家庭内のネットワークにつないだPS4があれば家の中の好きな場所でXperia Touchに映像を投写してゲームがプレイできるというわけ。
Bluetooth接続できるPS4用のコントローラー「DUALSHOCK 4」はXperia Touchでも使用可能です。
SIMが挿せる!のは海外版・・・
microSDカードに対応であることは前述のとおりですが、面白いことに、使用時にはスマホのようなSIMトレイにmicroSDカードを乗せて挿入する形になります。
「まるでスマホのSIMトレイみたいですね!」と説明員さんに言ったら、実は海外版のXperia TouchはSIM対応していることを教えてくれました。あぁ~、やっぱり日本版はWi-Fiモデルなのね、とちょっと笑ってしまいました(笑)
Xperia Touchを触ってみた感想
Xperia Touchは2016年2月に発売した短焦点プロジェクター「LSPX-P1」がベースになっていて、プロジェクター性能はそのままにAndroidの機能とソニーならではのエンタテインメント性を詰め込んだ面白いプロジェクターだな~、というのが第一印象です。
この1年の間にいろいろなプロジェクターを見てきたせいか、明るさが100ルーメンというのはやはりぜんぜん暗いと感じた一方で、スマホやタブレットを接続しなくてもXperia Touch単体で何でもできちゃうじゃん!というメリットの方を強く感じました。難点なのはお値段が15万円と高価なことですかね~(^_^;)
注文殺到で発売から半年ほど品薄状態が続いたLSPX-P1のように、Xperia Touchも手に入りづらい状況になると予想。実際、ソニーショールームでは、初日に予約すれば間に合いますか?と尋ねている人がいました。Xperia Touchの予約は6月9日からスタートです!
最後に、1分動画でXperia Touchの動作の様子や、音声コントロールの様子を収録しておきました。ご参考までにぜひ御覧ください!
【動画】