2017年5月12日に公開されたユーチューバーのはじめしゃちょーさんの動画。
彼は“不祥事”を起こし、ネットで叩かれた後、YouTubeへの動画投稿を1ヶ月半も休止していた。
はじめしゃちょーは500万人を超えるチャンネル登録者数日本一のYouTubeユーザーだ。日本一とは簡単なことではない。他に誰も成し遂げられないものだ。
動画は一見すると馬鹿馬鹿しいものが多いが、どうしてそれを動画でやろうと思ったんだ！？とアイディアの凄さやその行動力は並大抵のものじゃなく凄い。知らず知らずのうちに彼のファンになっているのは僕だけではなく、500万人の多くが彼によくわからない魅力を感じているからに違いない。
何事も1位を取るのは簡単ではないことは改めて言う必要はないだろう。これまで想像を絶するほどの努力と時間を投じてきたと思うし、何よりもYouTubeが好きだから続けてこられたはずだ。
そのYouTubeを1ヶ月半も休止していた。
これを自分の好きなものに例えると、ものすごく恐ろしく感じる。
僕ははじめしゃちょーよりも全然歳上でオッサンで、ブログしか取り柄がないけど、かと言ってナンバーワンを語れるブログをやっているわけでもない。
でも、ブログを書くことが本当に好きで、大好きな気持ちだけならブロガーのなかでは1位を張り合える自信を持っている。好きだからこそ9年半続けてこられた。よく「書くの得意だよね」と言われるが、得意なんじゃなくて「ブログが好き」だからなんだ。
もし、自分がブログを1ヶ月半も更新できない状況に陥ったとしたら。。。そんなことは考えられない。大好きなことを長期間やれないなんて、絶対に無理だ。
身近な例で言うと、あなたが何よりもお酒好きだとして、1ヶ月半もお酒を断固拒否して生活できますか？ってこと。好きなことができないとなると、精神的にも肉体的に辛いだろう。
はじめしゃちょーはそんな大好きなYouTubeを1ヶ月半も休止していたんだ。
そして、待っているファンのために再び姿を現した。他からどんなにたくさんの批判を受けようとも。
『ただいま』というタイトルで1ヶ月半ぶりに投稿した動画には「反省してない」「戻ってくるな」というコメントが寄せられた。彼にとっては想定内だっただろう。自分が傷つくことを知っていても動画を投稿したかったのだ。
一度失敗した人間は二度と復活できないというムードは大嫌いだ。スポーツやビジネスでも似たようなことがあるが、チャレンジして失敗したり、諦めたり、でもいつか再び挑戦したっていいじゃないか。自分の会社が倒産したらって、新たなビジネスを始めたらいけないのか？年間に星の数ほどビジネスを立ち上げる米国人が聞いたら「やり直せばいいさ」と笑いながら話すだろう。
過ちによって誰かを傷つけたのは悪い。相手の傷は癒えないし、犯した罪は消えない。
でも、動画のなかで反省の気持ちは何度も感じられたし、もうこれでいいんじゃないだろうか。
僕がこの記事を書こうと思ったのは動画の中で彼が発した次の言葉だった。
「何を撮ったらいいのかわかりません。何を撮ったらいいかわからないんですけど、動画が撮りたくて戻ってきました」
それまで面白くてアイディアの塊みたいだったのに、そこまで自分を追い込んでしまっていたんだ。
ただ、YouTubeに戻ってきたことがやはり彼の凄いところだ。弱い人間なら、別の人生を送るしかないと考えるからだ。むしろ、今まで十分に稼いでいるだろうし、このまま辞めても生活できるはずだ。「動画を撮りたくてもどってきました」きっとこれが本心だ。すごく心に響いた。
やり直したい、もう一度チャレンジしたい。失敗から立ち直ろうと頭を上げ、光を目指し、逆風の中ようやく重い一歩を踏み出した。可能性を信じて動き始めた人間に向けて矢を放つ権利は誰にあるだろうか。
