ビジネス向けノートパソコン「ThinkPad」に力を注いできたレノボが、一般のコンシューマー向けに「IdeaPad S10e」を投入します。ASUSの「EeePC」やAcerの「Aspire one」などに対抗するいわゆるネットブックです。レノボらしいというか、後発とあって、機能はすごい!
その「IdeaPad S10e」に触れるAMNのブロガーミーティングに参加してきたので、レポートしますね。
■Bluetooth、ExpressCardスロット搭載
主なスペックは、CPUにAtom N270(1.6GHz)を搭載、10.1型光沢ワイド液晶(1024×576ドット、16:9比率)液晶、160GBのハードディスク、メモリは1GB(最大1.5GB)。そして、ExpressCardスロットを搭載しています。
・無線LAN(IEEE 802.11b/g)
・Bluetooth
・内蔵Webカメラ(130万画素)
・外部VGAポート
・SDカード(SDHC対応)・メモリースティックスロット(Pro対応)
・USB 2.0×2
・キーピッチ17.5mm
・マルチタッチ対応タッチパッド
・ネットワークコネクタ
・リチウムイオンバッテリー(6セル、約5.3時間駆動)
・OSはWindows XP Home Edition SP3
・横250mm×縦196mm×高さ22~36mm、重さ1.38kg
・ホワイト、ブルー、ピンクの3色
・価格5万4800円
液晶が10.1型ワイドで1024×576ドット表示と、今流行の16:9比率となっていて、薄型液晶テレビと同比率というところが憎いですね!まぁ、この比率にすることで液晶パネルの価格を安くできるんですけど。
また、ExpressCardスロットを搭載してるというのはネットブックには珍しいです。現在はソニーの「VAIO」や一部の「ThinkPad」などに搭載されています。ExpressCardがコンパクトで高速という意味ではネットブックには最適のインターフェイスなのかもしれません。ExpressCardタイプのイー・モバイルデータカードもありますし。
次に、バッテリー駆動時間が約5.3時間というのもすごいです!イベント会場に僕の席に「IdeaPad S10e」があり、自由に触っていいとのことだったので、僕の「VAIO type T」で使用しているイー・モバイルのExpressCardタイプを「IdeaPad S10e」に挿してみました。すると、イー・モバイルでインターネットに接続していても、バッテリー残量は4時間59分(80%残)とすごく優秀でした!!
しかし、「IdeaPad S10e」のExpressCardスロットは右側手前にあるのですが、イー・モバイルのExpressCardを挿すと右側に少し出っ張ってしまいますね。
ちなみに、軽量な3セルバッテリーはオプションで提供するとのことです。
■必見の特徴
1.Lenovoクイック・スタート
Windowsとは異なるレノボ独自のOSを起動。電源が切れている状態から約10秒で起動し、ブラウザーやSkype、メール、画像閲覧や音楽再生がすぐにできます。ちょっとWebサイトを見たいな~というときに使えそうです!普通のパソコンならOSの起動に2~3分待つのが当たり前ですし。
2.マルチタッチ
「IdeaPad S10e」に搭載されているタッチパッドはマルチタッチに対応していて、Appleの「iPhone」や「MacBook」「MacBook Pro」のように2本指で「ピンチ・イン」「ピンチ・アウト」(画面の拡大・縮小)できます。ちなみに、ThinkPadの特徴でもある赤いトラックポイントは装備されていません。
3.「カイラル・モーション」
指で円を描くようにクルクルっとタッチパッドを触るとウィンドウをスクロールすることができます。「レッツノート」にあるホイールパッドのような感じですね。
4.Novoボタン
キーボードの上にある「Novoボタン」を押すとランチャー(簡易メニュー)が現れ、メールやSkypeなどをすぐに使えます。自分でカスタマイズもOKで、ランチャーに好きなアプリケーションを登録することも可能です。
■ThinkPadと同じ品質基準
「IdeaPad S10e」ではThinkPadで15年以上採用されてきた、世界に向けた製品が満たすべき設計品質基準(レノボスタンダード)を適用。ThinkPadと同じハードディスクを使用するなど共通している部品も多く、製造ラインも同じにしているとのことで、ユーザーの信頼を得られるネットブックとなりそうです。
また、故障時などのサポートは標準で9時~21時までフリーダイヤルで電話修理受付できます。実際の修理は、4~5営業日で修理されるというのでとても早い!高い製造品質とサポート体制の充実が他のネットブックにはないポイントです。
「IdeaPad S10e」はホワイト、ブルー、ピンクの3色で展開され、まずはホワイトが12月6日より発売となります。ブルーとピンクは09年春に発売予定です。価格は5万4800円。
ここまで紹介しておいて、「IdeaPad S10e」の良い点と良くない点を。
○機能が充実
○クイック・スタートがすごい(SSD非搭載の点を十分カバーできる)
○標準バッテリーが5.3時間駆動と長い
○キーボードの押し具合が良い
○排熱処理が施されていて本体が熱くなりにくい
×バッテリーが大きく、液晶の後ろ側出っ張るため、液晶を120度くらいまでしか広げられない
×タッチパッドのクリックボタンが細く、若干凹んでいるため押しにくい
×キーボードのキー配列が特殊
(具体的には、全角/半角キーが最上段にあり、小さくて押しにくい。FnキーとCtrlキーが一般的なキーボードの逆。「、」「。」のあたりのキーが小さすぎる。)
また、「IdeaPad S10e」には5.3時間も駆動するバッテリーが標準で付いてくるのに、質疑応答のときに、大容量バッテリーは発売する予定はあるのか?という質問が出ましたが、どうやらその予定はないらしいです。
でも、これ以上の大容量のバッテリーはネットブックに求めるのはおかしいと思いますね。軽くて持ち運びやすいのがネットブックの特徴なんですし、大容量バッテリーを搭載して普通のノートパソコンと同じくらいの重さになるのなら、「VAIO type T」の最新モデルを買った方がぜんぜん良いです(笑)
「IdeaPad S10e」は他社にはない性能と機能が素晴らしいネットブックだと感じました。なのに、他社と同水準の価格設定や長時間駆動という点にはたいへん好感が持てます。キーボードに若干のクセがありますが、それも慣れれば平気なのかなと思います。