Appleが電撃発表した12インチの新型「MacBook」。これまでの機種にあったUSBポートやディスプレイポートだけでなく、MagSafe電源コネクタまで付いていません。
それらすべてを1つの「USB-C」ポートで済ませてしまおうというのが、この新型MacBookなのです。
では「USB-C」(USB Type-C)とはどんなものなのか、解説したいと思います。
裏表がなく、転送速度が速い!電力量も多い特徴
まず「USB-C」は形状が丸いトラック状になっています。これまでのUSB 3.0や2.0などのStandard-Bや、MicroUSBなどとも形がぜんぜん異なり、裏表の区別がないのが特徴。AppleのLinghtningケーブルのようにどちらの向きでも挿入できるという利便性の高さを持っています。
参考:リバーシブル仕様のUSB規格「Type-C」–その利点と従来のUSB規格との違い
新型MacBookに搭載された「USB-C」端子はUSB 3.1規格で、最大データ転送速度 は10GbpsとUSB 3.0の2倍、USB 2.0の約20倍以上も高速化されています。最大出力は20V(100W)、5Aと大きいのもポイント。ほとんどのパソコンが60W程度あれば充電できるといわれていて、このUSB 3.1規格の「USB-C」でならMacBook本体も充電できるというわけ。
ソニーなどUSBで充電できるデジカメを販売していますが、それと同じ感覚でしょうか。Appleが採用した理由がわかりました。
USB-C1つで充電も写真データのコピーもプレゼン時の映像出力も
新型MacBookに備えられた「USB-C」端子はたった1つ。MacBookの充電も、iPhoneの充電も、プレゼン時にプロジェクターへの映像出力も「USB-C」1つでやってしまおうというのがAppleの考えであり、このMacBookなのです。
ただ、今まで使っていたSDカードリーダーを直接はつなげられないのでデジカメの写真を転送できない、従来型USBのLightningケーブルでiPhoneを充電できない、などといった不便な事態が生じそう。
僕はよく外出先ではMacBook AirをMagSafeアダプターで充電しつつ、USB端子にLightningケーブルを挿してiPhoneを充電していることが多いです。自宅だとほとんどUSBは使いませんが、「USB-C」端子が1つだけというのはちょっと心細い気がしました。
それらを回避するため、Appleでは「USB-C」で本体を充電しながらVGAやHDMIなどのディスプレイケーブルを使える変換アダプターを用意していますので、こちらを利用することになりそう。この変換アダプターにはこれまでのUSBサイズの端子も備えているので、ハブとしても利用できるため1つ持ってると安心かも。以下に紹介します。
充電・写真のコピー・映像出力もできるUSB-Cアダプター
USB-C Digital AV Multiportアダプタ
・・・HDMIポート、USB-Cポート、従来のUSBポートを搭載。USB-Cポートで充電しつつ、HDMIケーブルで映像/音声の出力やUSB機器との接続が可能。同様のVGAタイプを搭載した「USB-C VGA Multiportアダプタ」も販売されます。価格はともに9,500円。
ちなみに、「USB-C」とUSB 3.1は下位互換性があり、これまでのUSB 3.0や2.0の機器が使用可能。ただし、変換アダプターが必要となるので安価での登場が待たれるところです。Apple純正だと高いでしょうしね。。。
USB-C – USBアダプタ
・・・「USB-C」でこれまでのUSBケーブル、USB機器を使うためのApple純正変換アダプターです。2,200円。わざわざこいつを買わないとダメなのか~と悔しいですね(^_^;)
新しい「USB-C」に期待したい!
高速なデータの転送速度と電力の強さ、そして、いろいろなものと接続できるという強みを持つ「USB-C」。やっぱり1つしかポートがないのは気になりますが、安めのUSBアダプタやハブがサードパーティ(他社)から発売されることを祈りたいです。
この新型MacBookをきっかけにたくさんのパソコン、デジカメ、周辺機器などで採用されたらいいな~という希望と期待をしつつ、軽さと薄さに惚れてしまった12インチの新型MacBookをぜひ購入したいと思います!
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