2015年7月30日、ソニーが2016年3月期第1四半期決算(2015年4月~6月)を発表しました。連結営業利益は前年同期比0.1%減の1兆8080億円、営業利益は38.8%増の9690億円、税引前四半期純利益は約2倍の1387億円、四半期純利益は約3倍の824億円となりました。
参考:ソニー – 株探
大幅な増益となった理由
音楽分野において、再評価益を計上したことが要因の一つ。また、デバイス分野での売上が増加したことも要因となっています。
では、分野別に見てみましょう。
気になるのはモバイル・コミュニケーション(MC)分野の売上高が前年同期比で16.3%減少し、営業利益ベースで赤字が拡大(16億円の赤字→229億円の赤字)したことです。スマホの販売台数が大幅に減少したことが響きました。しかし、販売台数も気になるところですが、営業赤字に陥ったのはドル建て比率の高いコストが響いているようです。ソニーの決算資料によると、MC分野での為替による悪影響は254億円に及んでいます。
映画分野も売上高が前年同期比で11.9%減少し、営業利益は117億円の赤字に転落しました。映画製作が減収となり、前年同期に好調だった「アメイジング・スパイダーマン2」と「22 Jump Street」の反動減も要因の一つです。劇場興行とTV局向けライセンス収入が減り、営業赤字に陥りました。
一方、好調なのはゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野。売上高は前年同期比で12.1%増え、営業利益は43億円→195億円と前年同期から4.5倍に膨らんでいます。PS4の本体やソフトの販売が好調で、たとえ円安の影響を除いたとしても売上高は7%増です。
加えて、デジカメなどイメージング・プロダクツ&ソリューションズ(IP&S)分野を見てみると、売上高は前年同期比3.5%増の1646億円。営業利益は174億円→213億円と22.2%増となりました。デジカメでは高価格帯モデルの販売が堅調だったことと、2011年度に発生したタイの洪水による損害や損失に対する保険収益が前年同期に比べ増えたことも利益を押し上げました。
また、デバイス分野の増収増益も見逃せません。売上高は前年同期比35.1%増の2379億円、営業利益は2.6倍の303億円になりました。スマホなどモバイル機器向けのイメージセンサーやカメラモジュールの売上が大幅に伸びたことが主因。為替も好影響でした。
今回の決算は第1四半期(4~6月)の結果です。今後、残りの9ヵ月はどうなるのかが注目ですね。為替がこのまま円安水準で推移してくれると、MC分野では厳しいですが、デバイス分野では有利になりそうです。
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