格安SIMサービスを提供している「FREETEL(フリーテル)」のSIMカードを使い始めたところiPhoneの通信費が毎月2,000円台になったことを先日ブログに書きましたら、とても大きな反響をいただきました。
関連:格安SIMの「FREETEL」にMNPして3ヶ月間使ってみた結果(実際の料金や速度など)
ちょっと難しいお話をしますと、FREETELはドコモ網とのレイヤー2(L2)接続を2015年から行っています。このL2接続と独自に用意した通信設備によって通信のやり取りを自社で管理できるようになり、FREETELは斬新な料金プランや画期的なサービスを生み出すことに成功したんですね。
使った分だけ料金を支払うプランの誕生にとどまらず、iPhoneやiPadでiOSアプリをダウンロードする際の通信は無料にするという「FREETEL SIM for iPhone / iPad」プランが登場したときには本当に驚きました。ここまでやるか!と。
関連:格安SIMのFREETELが提供する、スマホを使った分だけ支払う料金プランは革命を起こすかも
そもそもiPhoneは何百MBのアプリをLTEでDLできるのか!?
その3ヵ月レポートの際にも書きましたとおり、iPhoneアプリをダウンロードしたら本当に通信量にカウントされていなかったのでこのプランの凄さを多くの方に理解していただけたかと思います。しかし、今回はもうちょっと深く踏み込んでみたいと思います。
と、その前に、こんなツイートを見かけました。
何百MBもあるアプリなんてダウンロード出来ないだろ…。嘘書くなよ…。→ → 格安SIMの「FREETEL」にMNPして3ヶ月間使ってみた結果(実際の料金や速度など) : め~んずスタジオ https://t.co/SR9oOM8jRf
確かに、App StoreではモバイルネットワークでダウンロードできるiOSアプリは100MBまで、と定めています。iPhoneで大容量のアプリをWi-FiではなくLTEでダウンロードしようとすると、Wi-Fiを使用してダウンロードしてくれという警告が出るんですね。
ところが、先日の記事で“何十MB、何百MBもある重たいゲームアプリでも通信量をカウントせずにダウンロード可能”と書いたとおり、僕は間違いなく100MBを超えるアプリをモバイルネットワークでダウンロードできたんですよ。
そこで浮上したのが、いつの間にかモバイルネットワークでダウンロードできるアプリの上限容量が100MBから引き上げられたのではないか、という予想です。
ということで前置きが長くなってすみませんが、今回、何MBまでのiOSアプリならモバイルネットワークでダウンロード可能なのか、また、FREETELでは大容量のiOSアプリでも通信量がカウントされずに無料でダウンロードできるのか、この2つを同時に検証してみることにしました。
100MB台~700MB台のアプリをダウンロードして検証
こちらの112MB~778MBまでの5つのアプリを順次ダウンロードします。1つずつダウンロードし、ダウンロードする前とダウンロードした後で、FREETELのマイページからデータ通信量のカウントを確認。アプリのダウンロードにかかる通信がしっかりゼロになっているかどうかを調べます。同時に、iPhoneでは何MBまでのアプリならモバイルネットワークでダウンロードできるのかを調査します。
ダウンロードを試みたのは以下のアプリです。
- 脱出ゲーム Night Room (184MB)
- パズル&ドラゴンズ (112MB)
- パズ松さん(おそ松さんパズルアプリ) (480MB)
- MARVEL アベンジャーズ アライアンス 2 (778MB)
- クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 炎のカスカベランナー!! (324MB)
【テスト環境】
「FREETEL SIM for iPhone / iPad」で契約しているSIMカードをSIMフリー版iPhone 6s Plusで利用。Wi-Fiはオフにし、モバイルネットワーク(3G/4G・LTE)のみで通信し、App Storeから100MB以上のiOSアプリをダウンロード。その都度、FREETELのマイページでデータ通信の利用量を確認していきます。なお、テストに利用したアプリはすべて僕が初めてダウンロードするものばかりですので、差分ダウンロードや再ダウンロードはありません(パズドラ、実はプレイしたことないんですw)。FREETELの節約モードはOFF。
検証開始
16時06分に検証をスタートしました。
16:06
まずはテスト前にFREETELのデータ通信量を確認します。テスト直前の利用量は380.80MB(およそ380MB)です。これを基準とします。
16:17
1つ目のアプリ「脱出ゲーム Night Room」(184MB)をダウンロード
16:21
ダウンロード完了
16:22
380.80MBで変わらず。やはり、App Storeでダウンロードに関する通信量はカウントされていません!
16:25
2つ目のアプリ「パズル&ドラゴンズ」(112MB)をダウンロード
16:28
ダウンロード完了
16:29
386.04MBと、約6MB増えていました。ただ、これはアプリのダウンロード中に誤って操作してしまった別のアプリで発生した通信の影響です。すみません。。。
16:29
3つ目のアプリ「パズ松さん(おそ松さんパズルアプリ)」(480MB)をダウンロード
16:33
ダウンロード完了
16:34
386.04MBで変わらず
16:35
4つ目のアプリ「MARVEL アベンジャーズ アライアンス 2」(778MB)をダウンロード
しかし、ここで初めて“このアイテムは 100MB を超えています Wi-Fiに接続するまで「Marvel: Avengers Aliance 2」はダウンロードされません”との警告文が出て、モバイルネットワークでは778MBのアプリをダウンロードできないことがわかりました。
16:36
386.04MBで変わらず。
16:44
5つ目のアプリ「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 炎のカスカベランナー!!」(324MB)をダウンロード
16:47
ダウンロード完了
16:47
386.04MBで変わらず。
ひとまず、調査はここまでです。
検証① FREETELはやはりiOSアプリの通信料無料でダウンロードできる
まずはFREETELの検証結果からいきましょう。
5つのアプリをダウンロードしてみて初期値との比較をしてみますと、16:29ごろの誤操作で6MBほど増えてしまいましたがこれは誤差の範囲内。合計で1GB近くもダウンロードしたのにデータ通信量のカウントはほぼ初期値と同じ386.04MBでした。
この結果から「FREETEL SIM for iPhone / iPad」でiOSアプリをダウンロードした場合にはやはり通信量はカウントされないことが実証できました。つまり、ダウンロードにかかる通信は無料ということです。
あ、念のため言っておきますと、これはあくまでもダウンロード時の通信が無料というだけで、有料アプリを購入する際には当然App Storeへの支払いが生じます。
検証② LTEかWi-Fiか、境界線は500MB
そして、2つのめ検証結果です。iPhoneだと何MBまでのアプリがモバイルネットワーク(3G/4G・LTE)でダウンロードできるのか。
778MBのアプリはモバイルネットワークでダウンロードできないことがわかったので、あとはここからどんどん容量の低いアプリをダウンロードしてみれば境目がわかるはず。ということで、追加で検証してみました。
「ワイルド スピード:レジェンド」(548MB)と、「アフターパルス」(644MB)をダウンロードしてみたのですが、やはり、“このアイテムは 100MB を超えています”の警告文が出て、モバイルネットワークではダウンロードできませんでした。
一方、先の検証では480MBある「パズ松さん(おそ松さんパズルアプリ)」はモバイルネットワークでダウンロードできましたから、つまり、モバイルネットワーク利用時には500MB以下のiOSアプリであればダウンロードできるという仮説が成り立ちます。
このことから、Appleはモバイルネットワーク通信を用いた際にダウンロード可能なアプリの上限を100MB→500MBに引き上げたのではないか、といえます。500MBを超えるアプリについてはWi-Fiでダウンロードしましょうと。
(ちなみに、500MBになったことは正式にはアナウンスされていないようです。これが正しいのなら、警告文の表記を“このアイテムは 500MB を超えています”に変更してもらいたいものです。。。)
※記事公開後に読者さんからのアドバイスをいただきました。
なんと、AppStoreに表記されているサイズは実際にiPhone内にインストールされるサイズであり、ダウンロード時にはアプリのファイルが圧縮された状態でダウンロードされるんだそうです。
例えばAppStoreに300MBと表記されていてもダウンロードは70MBで済み、インストール時には300MBに展開されるということ。今回の検証②について僕は実際のダウンロードサイズ(圧縮データ)ではなく、展開後のサイズを使って調査しまったため500MBが境界線だという仮説を出してしまいました。
表(AppStore内)に圧縮された状態のサイズ表記がないことが原因でもあるのですが、僕は正しい検証ができていないことになります。なので、500MBがモバイルネットワークとWi-Fiの境目だ、という仮説は一旦なかったことにしていただきたいと思います。ご迷惑をおかけしました。なお、検証①については問題はなく、FREETELは通信に課金なく無料でiOSをダウンロードできることに変わりはありません。
まとめ
500MBまでのiOSアプリがモバイルネットワークでダウンロード可能になったことは多くの人にとってどうでもいいことですが、「FREETEL SIM for iPhone / iPad」のユーザは最大限の恩恵を受けることができます。なにせ、iOSアプリのダウンロードにかかる通信が0円なのですから。これはドコモなどにはないおトクさです。
僕は今回の検証で合計1GB(1,000MB)以上のiOSアプリをダウンロードしたわけですけど、もちろんいずれも通信量がカウントされずに済みました(=通信料0円)。もしカウントされていたら、1,386MBを超えているはずですからね。
月額299円から利用できる格安SIMのFREETEL。SIMフリーのiPhone・iPadを使っている人はぜひ「FREETEL SIM for iPhone / iPad」を検討してみてはいかがでしょうか!