福島県いわき市で江戸時代から宿を営む「谷地の湯（やちのゆ） 田村屋旅館」に宿泊してきました。
感想から言っちゃうと、不思議なお湯は体にかけた途端に肌がスベスベに！100年以上の歴史ある宿でありながらもキレイで清潔感があって居心地もよく、そして、料理が美味くて大満足なお宿です。
いわきの温泉宿はほとんどが中部から南部にかけて位置するものの、ここ田村屋旅館は珍しく北部にあってなかなかの秘境らしさもグッドなんです。
（今回宿泊した客室）お風呂にサプライズ！摩訶不思議なツルツルの湯
夕食の前に大浴場へ行ってみることに。浴槽に入る前、風呂桶でお湯をすくって体にかけた瞬間から変化に気づきました。
「な、なんだこのお湯は！」
お湯がサラッとヌルっとしていて体がツルツルに。
そのツルツルさは過去に経験したことがないほど強烈。体を洗った後にボディーソープをお湯で流しても、泡がいつになっても体に付いているみたい。大げさでなく本当に体がツルツルなんです！
田村屋旅館のお風呂は温泉ではなく鉱泉（アルカリ泉）。
店主から鉱泉と聞いていたので大したことないお湯だろうなと（すみません！）思っていたのに、サプライズが過ぎる！
わりと日本のあちこちを旅をしているし、これまでたくさんの温泉に入ってきた僕ですが、こんなに肌がツルツルになる不思議な湯はなかなか他にありません。
入浴中に「どうしてこんなにツルツルなんだ」と何度つぶやいたことか。
（客室の1室は室内風呂つき）体がポカポカで湯冷めしにくく、出た後はさっぱり。間違いなく極上のお湯。気持ち良かった〜。
なお、日帰り入浴も可能。入浴のみは10時〜19時まで、デイユースでの入浴は10時〜16時までです。
料理も魅力！山と海の幸に大満足
さて、汗を洗い流してキレイさっぱりしたところでお楽しみの夕食です！
実は調理前の食材を見せていただいたのですが、マグロの塊やどっさり乗った山菜も！これが今から美味しい料理になって出てくるのですから楽しみ。もうお腹がペコペコです。調理は店主の息子さんが担当。
天ぷらにはシドキ、コドミ、フキノトウ、タラノメといった旬の山菜やキスなどご馳走が並びます。天ぷらは薄めの衣でカリッとしていて美味い。
マグロ、コウイカ、イシダイは刺し身に。調理前に見た魚がこうも見事な姿になって出てきました。
一体いつまで料理が出てくるんだろうと嬉しいながらも少し心配に（笑）すごいボリュームなんですよ。
甘めのダシで牛肉も野菜も美味しくいただけるすき焼き。
テーブル上の釜に火をつけてしばし待つとできたてを食べられる鶏とキノコの炊き込み御飯だって最高です。
あっさり味のミニ素麺で〆。
と思ったら、デザートまで！さっぱりして甘いグレープフルーツとイチゴです。
お風呂も最高に良い湯だし、料理も美味い！
それにしても、1泊2食つきで宿泊料金が1万円台前半だなんて。こんなにも贅沢な料理が出てきちゃうのだから驚きです。
自分の山で採れた食材を出せる日はいつになるのか
海も山もあるいわき市はまさに食材の宝庫。しかし、今はなかなか地元産の食材を客に出せない理由があります。
全国的にみて旅館業は新型コロナウイルスの影響で客足が遠のいて大打撃を受けていますが、田村屋旅館の店主は新型コロナよりも原発事故の影響で自分の山で採れる松茸や山菜がまったくお客様に出せなくなってしまったことを悔やんでいます。
2010年までは秋になると山で採れる松茸や山菜を楽しみに訪れる常連さんが跡を絶たなかったのですが、2011年の震災以降はそれが不可能に。
せっかく自分の山でおいしい食材が採れるのに、現在は仕入れ値が高くても中央市場で買い付けた安全な食材を使って料理を提供しているとのこと。
しかし、買い付けた食材を上手に調理するのが料理人の腕の見せどころ。決して妥協はありません！
「うちは他所よりも豪華なものは出せませんが・・・」なんて謙遜されていましたが、いやいやとんでもない！先ほど写真をご紹介したとおり、めちゃくちゃ豪華で種類も多く、とても手の込んだ料理ばかり。満腹になるだけでなく、心の底から大満足です。
田村屋旅館は行く価値のある素晴らしい宿
もともと地元の人に愛されてきた宿だそうで、観光客はほとんど訪れないレアな宿といえます。
めちゃくちゃ心地良い湯に、美味しくて贅沢な料理。そして、秘境感のある場所。
今回は取材で訪れましたが、「良いところ見つけた！」と他人に自慢したくなる宿でした。
【谷地の湯 田村屋旅館】
■住所：福島県いわき市大久町大久字下谷地14（MAP)
■TEL：0246-82-3355
■チェックイン：14:00
■チェックアウト：10:00
■駐車場：有り 無料（普通車 約30台）
提供・お問い合わせ：いわき地区商工会広域連携協議会
