みなさんはブログを書いて生活するということをどう思いますか?
記事を書くことで、サラリーマンでいうお給料を貰える、報酬を手に入れられる、ちょっとしたライター業みたいなことを想像しているのかもしれません。
「ブログ飯 個性を収入に変える生き方」には、“ブログで生活している人”、いわゆる「プロブロガー」(ここではブログの収益で生計を立てている人を指す)について、プロブロガーで著者である染谷昌利さんがこれまでの体験を基に、世の中で思われているようなブログで稼ぐという幻想と収益を生む難しさ、独自性の大切さなどが書き綴られています。
あなたは本当に書くことが好きなのか
このところ、「ブログで楽して儲ける方法」とか、「WordPressでお金をかけずに客を呼ぶ方法」などといった具合に、ブログを書けば簡単に売上が上がる!といった怪しい宣伝文句を見かけます。
しかし、それって誰もができることでしょうか?
儲かりそうだから、商品のサンプルをもらっちゃったから、自分は興味ないけど話題だから書いておこう……、なんて調子でブログを運営している人も、きっといると思います。(54ページ)
ここで書かれているように、とりあえず書いておけば大丈夫だろうという気持ちでブログを書いていては、はっきり言ってブログで食べていくことはできません。
変な宣伝文句を鵜呑みにしてブログを始めた人の書いた記事は、読むに値しない文章になっています。
ブログで食べていくためには、ブログを読んでくれる人を増やすことが最重要ポイントでしょう。
いい加減な気持ちで記事を投稿すれば、それは読者にそのまま伝わってしまう。
読者はあなたがブログをいやいや書いているのか、楽しくブログを書いているのか、そういった気持ちを文章の中から読み取ることができるんです。
何のために何をどう書くか
ブログを日記として書いている場合はPV(視聴ページ数)を気にする必要はありません。自分のためのブログなのですから。
一方、日記以外の用途としてブログを書いている場合は、ほとんどの場合、他人に向けて書いているといえます。
「自分の備忘録としてブログを書いている」と言いつつも、「PVが伸びないんだよね~」と嘆いている人はハッキリ言って本末転倒です。目的がブレまくっています。
何回かブログをやってみたけど、何度やっても数カ月で止まっちゃうんだよね……という原因は、目的がしっかりしていないからです。(61ページ)
何のためにジョギングをするのか、何のために歌の練習をするのか、それぞれ目的があるはずです。
ブログで収入を得続けるためには、ブログを運営し続ける必要があります。ここで言う目的とは、収入を得るということが当てはまります。
しかし、大企業でもどんな会社でも最初からいきなり数兆円の売上高があったわけではありません。何年も続けてきたからこそ、大きな収益を上げられる企業になったわけで、それはブログも同じです。ブログを始めたばかりで、読者もファンもぜんぜんいないのに収益を上げられるわけがありません。
そこで、きちんと読者を意識した記事の書き方をするべきです。
具体的には、まだ誰もやっていないネタを書くとか、他人が真似できない自分にしかできないような記事を書くなど。そういったオリジナリティのある記事を増やすことで、ブログの認知度が上がり、読者も増えていくでしょう。
儲けるためにブログを書けるのか
著書の中で染谷さんは、それまで勤めていた会社で希望退職者の募集をきっかけに独立を決意し、ブログで食べていくことにしたとおっしゃっています。
いきなりブログで儲けることはそう誰でもできることではありません。
染谷さんはそれまで積んできた経験や、「Xperia」などのスマートフォンという新たなジャンルが登場するタイミングで攻めることができたという、複合的な理由が合わさって成果を生んだと言えます。
念のため、「儲けてやるぞ!」「プロのブロガーになりたい!」という意気込みだけで成功できるようなものではないことを頭に入れておいてほしいです。
特にインターネットの世界では、「誰かの真似」は、「独自性がない」ということと同義であり、致命的な欠陥です。(227ページ)
多額の費用を払って参加したセミナーで聞いた成功者の真似をしただけでは、あなたはけして成功者になれません。成功者のクローン人間にならなれますが、きっとその成功者(オリジナル)が存在する限り、あなたは2番手のままです。
例え、たまたま検索してたどり着いた読者はあなたのブログを1度は読んでくれるかもしれません。しかし、その読者を2回、10回と読んでくれる常連ファンに変えるためには、ブログや著者自身に魅力がなければダメでしょう。
つまり、あなただからこそ書けるブログにするべきです。
@asuka_xpの感想
染谷さんが書かれたこの本を読めば誰もが感じられると思いますが、ブログで食べていくためのテクニックではなく、考え方とか精神面でのアドバイスが多く語られています。
ブログでお金を稼ぐことはそこそこ簡単だけど、ブログで食べていこうと決めたらブログに関する言い訳は通用しない。
自分のブログを好きになって読んでくれるようになったファンを前に、何かの言い訳をしてブログの更新を疎かにすることなんてできません。
だって、ブログで食べていっているのに、そのブログを更新しないってありえない。
アパレルショップの店長が気まぐれで洋服を売らないようなものですよ。これって通常は考えられないことでしょう。
僕がブログに記事を書くときって、読者に新しい情報を伝えられるとか、喜ばせられるとか、役に立つことができるとか、そういったことを思って書きます。
何人がこの記事を見てくれるかは蓋を開けてみないとわかりません。でも、書かなければこの思いは誰にも届けられません。
僕はそういったことを続けてきて、ブログで生活できるようになったんです。
久し振りにブログを書くことへの想いを強く感じた一冊に出会うことができました。