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【GTMF会場速報】ソニーが明らかにしたHMD「Project Morpheus」新型試作機

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ゲーム・アプリ業界向けツール&ミドルウェア総合イベント「GTMF 2015 TOKYO」が2015年7月17日、秋葉原UDXにて開催となりました。

台風11号が近づくの中、天候は運良く小雨がぱらつく程度とあって、ゲーム開発者をはじめとする来場者はけっこう足を運んでいる様子。受付には長蛇の列ができていました。毎年開催とあってさすがに運営側のさばきもしっかりしており、特に混乱はみられません。ちなみに入場は無料。

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GTMFはコンシューマ向けゲームやスマホ用ゲームなどを開発するために役立つツールやミドルウェアを提供している企業がゲーム開発者向けに製品や情報を提供するイベントです。

会場では企業による展示とセミナーがメイン。また、自分のスキルをアピールしたい企業・団体とそれらを探しているプロデューサー・ディレクターとのマッチング企画GTMF Meet-Upsも行われています。

セミナーはA~Dまで4ヵ所ある会場で45分ごとのセッションを実施していまして、僕は10時より行われたソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)による「PlayStation向けの最新テクノロジーのご紹介」のセッションに参加しました。

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以下、SCEの豊禎治氏によるセッション内容をメモ程度ですがレポートします。プレステ向けゲーム開発者さんにとっての参考になれば幸いです。

「Project Morpheus」

 

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SCEのセッションは2016年リリース予定の「Project Morpheus(プロジェクトモーフィアス)」についてがメイン。モーフィアスはSCEが開発中のヘッドマウントディスプレイですね。

「モーフィアスは発表から1年以上が経過し、さまざまな改良を加えたので今日はその話ができるかと思います。」

と、会場をほぼ満席状態に埋め尽くした参加者に向けて期待の一言でスタートしました。

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SCEの豊禎治氏

 

モーフィアスのコンセプト

ゲームを楽しむにはこれまでテレビの枠がどうしても存在していた。究極のゲーム体験は自分がその世界にいるようにしなければいけない。そこでユーザーがゲームの中に入れるようにしたいと考えた。ゲームに入り混むことで、もっとビビットに、リアルに、自分自身のように感じられる究極のゲーム体験が可能になる。

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そのためには技術的に必要な要素がある。それがSENSE of PRESENCE(自分の存在感)で、必要な構成要素は以下の6つ。

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豊氏はモーフィアスがこの1年で改良を加えた新型の試作機を紹介。この6つのポイントがどのように進化したのか、詳しく解説してくださいました。

視覚(SIGHT)

・・・応答性能や黒のしまりなどの画質を考慮してパネルを有機ELに変更、5.0インチ液晶パネルから5.7インチ有機ELパネルへと大きなフルHDのパネルを採用することに。これによって視野角も向上した。

聴覚(SOUND)

・・・もともとの3Dサウンドからさらに改良した新開発の3Dオーディオ技術を採用。多数の仮想スピーカーと空間制度の向上を実現(特に高さの精度が向上した)。また、3D音響処理をSDKとして提供する。今GTMFのSCEブースでは3Dオーディオを体験できるデモも実施。

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トラッキング(TRACKING)

・・・頭を動かした時点でまったく同じ時点で映像も動くので、酔いにくい。今までの60fpsでは足りないので、倍の120fpsの低遅延を実現するためのいろいろなチャレンジをした。それはまず有機ELを採用したり、テスト用の実際の画を作るのも120で作るのは苦労した。LEDが付いていてこれでトラッキングを行っているが、このLEDをカメラでとらえることで正確なトラッキングを行っていて、LEDの数を従来の6つから9つに増やし、よりトラッキング性能を向上させた。

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ここで「リプロジェクション」という技術を披露。右を向こうとしているときに予測処理を行い、120分の1秒後にはこっちを向くだろうをというのを予測してモーフィアス側で追加描画。リプロジェクションによりゲームの基本である60fpsを120fpsに対応できるようにしてある。

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コントロール(CONTROL)

・・・モーフィアスのようなバーチャルリアリティを体験するにはモノを掴むなどアクションがある。ボタンを押して銃をリロードするが、PlayStation Moveでそれを動作として可能にしたい。

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使いやすさ(EASE OF USE)

・・・装着感が良くないと長時間使うのは苦痛。重さを支えるのに頭頂部で支える仕様にした。従来は2つのバンドがあったが、新モデルでは1つで装着感を向上。また、スコープ部分が大きめのメガネを使用していても装着できるようにした。さらには、バンドを伸ばせるようにした。

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コンテンツ(CONTENT)

・・・PS4で動くゲームをたくさん開発中。「PhyreEngine」での映像を公開。7月下旬にはver. 3.13をリリース予定。ミドルウェア対応の強化も予定。

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ツールとミドルウェアの紹介

ここでモーフィアスに対応したツールとミドルウェアについても触れてらっしゃったので紹介しておきますが、僕はあまりこの手の話には疎いのですみません(^_^;)

  • UE4のプロジェクトモーフィアス新型試作機にも対応。
  • Unityではモーフィアスのプラグインをすでにリリース。すぐに開発できる。Unity 5.2は今秋リリース予定。
  • Silicon Studioは全製品でプロジェクトモーフィアス対応への取り組みを進めている。

 

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3Dオーディオ

各社から対応ミドルウェアが登場する。

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Live2D

2Dなのにモーフィアス対応。360度全方位の実現。

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OPTPiX SpriteStudio

オーバレイしているメニューを3D映像にかぶして表示しているデモ。

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モーフィアスのスペック一覧

プロジェクトモーフィアス試作機の主な仕様はこちら。

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PS4でのVRコンテンツ開発について

ライセンスデベロッパはいつでも入手可能。試作機もある。

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モーフィアスの発売時期

気になるモーフィアスの発売は2016年上半期とのことです。

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GTMFのSCEブースではモーフィアスの3Dオーディオが体験できますので、ぜひSCEブースへ寄ってみてくださいね。

【追加】
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