新潟

「ひすいたまご」との出逢い。地方で感じたことをその場で伝え、即行動することの大切さを自ら体験した話

人を中心に地方創生の今をテーマにした雑誌「TURNS」2017年6月号(VOL.23)に、「隠居系男子」「灯台もと暮らし」を運営する鳥井弘文さんとの対談が掲載されました。

ブログの話や地域情報の発信についてがメインだったのですが、この対談のなかで強く心に残ったのが、地方創生とか地域活性化って言葉ばかりが独り歩きしていて、実際に外から来た(行った)者が地方で何ができるんだろうかということです。

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例えば、どの地方に行っても、観光スポットとして魅力的な場所や知る人ぞ知る地元のグルメなどは確実にあるんだけど、観光客をそこへ導く有益な情報がない。もしくは、自治体や観光協会は情報を発信しているのにそれが観光客まで届いていない。

そのせいで、ご当地ならではの魅力を期待して訪れた観光客は十分に満足できないまま旅を終えてしまう、といったことがあるわけです。これがすごく残念。

僕はよく旅行で地方を回ることがあるのですが、旅行のレポート記事や観光情報の取材記事をブログに書いているのは、いつか誰かがその地へ旅する際に何かの役に立つと思っているから書いています。

しかし、僕のような外からやってきた人間がたった2~3日の滞在でその地方の魅力をブログにまとめても、ブログはあくまでも読者へ情報を届ける手段でしかなく、伝わるのは全体のひと握りの情報に過ぎません。

では、ある地方の“地域活性化”のために外部の人間は何ができるのか。特に、僕を含めてブロガーが地方を盛り上げたり観光PRをすることになったとき、何をしたらいいのか。

一番重要なのは、地方に住んでいる人に向かって、身の周りにある当たり前のものが実は価値のあるものだと教えてあげること、気づかせることだと思っています。外部からその地を訪れた人間だからこそ、その地の価値に気付くことって多いはずなんです。気づいたことを地元の人に伝えれば、新たな観光スポットやご当地グルメとしてウリになるかもしれない。

この話は2016年11月、まさに三重県大台町にいる現地の高校生や大人たちに向かって言ったことです。今、大台町の人々はブログやSNSを使って町の魅力をたくさん発信しています。

そして、先日、新潟県糸魚川(いといがわ)へ3日間取材の旅に行ってきたのですが、糸魚川市は宝石の「翡翠(ひすい)」が地形的に最も採れる場所なんです。糸魚川駅前の「ヒスイロード」には屋外なのに翡翠の原石がドドーンとオブジェとして飾ってあるし、農協は「JAひすい」なんて名前が付いちゃってる。ホテルも居酒屋も、ドアを開けたら飾ってあるのが翡翠ですよ。そのくらい翡翠の街なんですね。

で、宿での交流会のときに糸魚川観光組合の滝川さんが糸魚川には「ひすいたまご」という卵があるとおっしゃるんです。話を詳しく伺うと、翡翠のように緑色をした鶏卵を地元の人が「ひすいたまご」という名前で作ってると言うじゃないですか。そこで、それをもっとアピールした方が良いですよ!と、その場にいた取材陣みんなで大声を出して熱くプッシュしたんです。

僕たちが宿泊した温泉宿のこの夕食になぜ「ひすいたまご」を出さないのか。取材陣に関わらず、一般の宿泊客がそんな緑色をした珍しい卵を見たら、そりゃ写真に撮ってSNSにアップするでしょう!と。糸魚川の温泉水で炊いたご飯の上に「ひすいたまご」を落として卵かけご飯にして食べれば、この宿に泊まったお客さんの満足度はきっと高まるはずです。

ブロガーは記事を書くだけではなく、外部の目として思ったことを現地の人にしっかりフィードバックする。価値あるものなんだと、気づかせる。僕がこれを非常に重要だと思ったのは本当にここ1~2年のことです。

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そうそう。「TURNS」に掲載された鳥井さんとの対談は実を言うと1時間30分にもおよび、お互いに地域情報や地方活性化に目を向けているブロガーとしてものすごく共感する話が聞けましたし、深い話ができました。鳥井さんに取材してもらえた地方の方々はほんと幸せだったのではないでしょうか!また、誌面に載せきらなかった内容を「隠居系男子」に書いてくださって嬉しいです!

対談の終盤に、地方で情報を発信している広報担当者さんやこれから地域ブログを始める人へアドバイスをお願いします、と言われてすごく悩んでしまったのですが、頑張って続けてくださいと言うしかありませんでした。ただ、やっぱり今は地方が注目されているときですし、せっかく熱い視線を集めているんですから外部の人のアドバイスをたくさん集めて、それを着実に役立てていってほしいなと思います。

フィードバックする側も、フィードバックを受けて行動する側も、どちらも早ければ早いほど良い。

ひょんなことから「ひすいたまご」を熱くプッシュされた観光組合の滝川さんは何かに気づいたようで、飲んでいたグラスを置いてその場でケータイを取り出し、すぐさま生産者の佐藤さんに電話。翌日一番で「ひすいたまご」を用意してくれました。お酒の席とはいえ、思ったことをその場で直接伝えた結果、僕たちはこうして不思議な緑色の卵に出会え、写真を撮ることができ、今ここでそれを皆さんにお見せできるに至りました。

これが翡翠の町、新潟県糸魚川市で作っている「ひすいたまご」です。

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