空き家の多い地域。日本中どこにでもありますよね。実は空き家となった古民家を再生するとこんな素敵なマイホームが持てる!というお話を教えていただきました。
山路工務店に務める一級建築士、小林健一さんのお宅です。
空き家を補強・リフォームにかかった費用は?
小林さんは三重県多気郡大台町の栃原地区にある山路工務店の後継ぎ。古民家が好きで、この古民家を購入してリフォーム。三重県津市の住宅街から移住してきました。
もともとお風呂とトイレは別棟だったそうですが、今の生活にはそれじゃいけないのでリフォームのときにお風呂やトイレも同じ屋内に作りました。
建具(引き戸など)はほかの家を解体するときに出た建具をもらってきて再利用。意外にも今の時代の方がこういった良い材が手に入らないそうで、それらをほぼタダ同然でもらって来て使えるのが田舎の古民家再生の面白いところ。
コストをかけたわりには新築よりちょっと安く済ませられたそうですが、やはりその価格が気になりますよね。
古民家を解体して新築を建てようとすると、解体に200万円、新築2000万~2500万円かかるところを、古民家をリフォームすれば解体費用いらずで同額以下でリフォームできます。
実際に、小林さんの自宅は補強などの費用も含めて2000万円もかからなかったそうです。
控えめに言って、小林さんのお宅はまったく古いところがなく、むしろ、素敵すぎる豪邸です。いや、そりゃ昔からの柱や建具を使ってはいるものの、見えない部分は補強し、見える部分は古材をデザインとして活用しているため、古民家というマイナスのイメージがこれっぽっちもありません。
家の真ん中にある薪ストーブ。いいですよね~。見ているだけで落ち着きます。
薪は1日でだいたいバケツ2杯分くらい消費。かしの木や栗の木などの広葉樹は燃費が良い、といった情報は絶対に都会では知ることができません。
薪を購入しようとすると最近は値段が高いので年間15万円くらいかかるそうです。でも、倒木など自分で木を集めてきて節約。薪集めをしてるといろいろな人との付き合いが生まれ、人の輪が広がったんだとか。
そもそも古民家とは昭和25年以前の木造建築物
古民家再生協会が定める古民家とは「築50年以上の木造建築物」のことを言います。さらに、議員連盟によって「昭和25年以前の伝統工法」という条件が加わりました。
つまり、古民家とは「昭和25年以前の伝統工法で造られた木造建築物」を差します。ちなみに、昭和25年とは建築基準法ができた年です。
固定資産税でのメリットもあるんだとか。
そもそも中古住宅は古ければ古いほど固定資産税が安く済むのですが、古民家はもちろん中古ですし、築年数50年以上ですから住宅としての価値はほぼありません。
また、古民家をつぶして更地にしてから新築を建てた場合と比べ、古民家再生は固定資産税を大幅に削減できます。小林さんは実質ゼロ円と言っていた気がしますが、もし実際に古民家再生をする際には小林さんに相談したいと思います(笑)
空き家探しのコツは空き家バンクの活用
小林さんは今、実際に築100年の古民家を再生する話に取り組んでるところ。
「どんどん新築は減ってくので、空き家の活用に取り組んでいる。空き家を持っていて、どうしたらいいかわからない人の助けをしたい」とおっしゃっていました。
そんな小林さんに古民家の探し方のコツを伺いました!
「古民家の売買金額は100万~200万円なので、不動産屋さんにとってはこんな金額では商売にならず、面倒くさくて相手にしてくれないんですよ。だから、不動産屋に相談しても良い空き家は見つからないことが多い。空き家バンクのようなサービスを活用して見つけるのがいいですね。また、現地を訪れ、周囲の住民や雰囲気を見て、住民と話して確認してみるのが良い」
なるほど、素人としてはついつい不動産屋で探してしまいがちですが、その土地の「空き家バンク」をチェックし、気になった物件は実際に現地を訪れて見てみる。それが空き家探しのコツなんですね!
空き家の状態をチェックするサービスを提供
さらに「人が古民家を見学したときに、チェックポイントを指摘してあげるサービスが必要」と小林さんは言います。
結局、一般の素人が空き家を訪れても壁や柱が腐ってないかを見るくらいで、実は床下の状態とか天井裏とかどうなっているのかわらかないじゃないですか。
そこで、山路工務店では古民家ごとにチェックして、その古民家の良い点・悪い点をお客さんにアドバイスするサービスを提供。知識のない一般の人でも安心して古民家のリフォームと移住しやすいよう手助けしています。
大改造!!劇的ビフォーアフターを見たことがある人はご存知のように、ひどい物件でもリフォームすればビックリするほど素敵なマイホームに様変わりします。
今回、空き家探しのコツを小林さんに伺い、地方に眠っている空き家を見る目が変わりました。ゴロゴロ転がる空き家のなかからリフォーム後の自宅を想像するのがやけに楽しいんですよ。ぜひ、皆さんも近くに空き家がありましたら、ちょっと気にかけてみてください(^^)