日本時間、今日16日の午前8時43分に米スペースシャトル「ディスカバリー号」の打ち上げが成功し、日本人宇宙飛行士の若田光一さんが宇宙へ飛び立ちましたね。
しかし、宇宙はそんな明るい話だけではありません。
実は、ロケットの残骸や破片、運用を終えた人工衛星などは「宇宙ごみ(スペースデブリ)」となり、地球の周りにはそれが1万8000個以上あるといわれ問題となっています。
なぜなら、宇宙ごみがスペースシャトルや稼働中の人工衛星に衝突したら、大変な被害が発生し、通信などにも影響が出るからです。
つい先日、3月12日にも、宇宙ごみが国際宇宙ステーションに衝突しそうになり、乗っていた宇宙飛行士3人が一時避難する騒ぎもありました。しかも、その宇宙ごみは秒速約8.9km(=時速約32,040km)というとてつもないスピードで飛んでいたんです。
こんな危険な宇宙ごみを除去しようというのが正義の味方「ロボット衛星」です!
1体あたりわずか50~70cm、重さは140kgというロボット衛星は、宇宙空間でアーム(腕)を伸ばして宇宙ごみをキャッチ。
数kmも伸びるケーブルを宇宙ごみに取り付け、そのまま引っ張るかたちで地球の磁気圏を回ります。
すると、地球の強い電磁力がブレーキ代わりとなって、自然と速度が落ち、地球の大気圏へと落下。
大気圏に落ちたロボット衛星と宇宙ごみはそこで燃え尽きます。
ロボット衛星が宇宙ごみを引っ張ったまま捨て身の落下劇を演じるわけです。
なお、宇宙航空研究開発機構は100体のロボット衛星を用意し、100個程度の大型宇宙ごみを優先的に取り除けば、衝突によるごみの新規発生を抑えられると考えているようです。
しかし、そのロボット衛星の製造コストは1体あたり約4億円かかるそうで、これはずいぶん高価なゴミ処理費用ですよね。。。
数えられるだけでも1万8000個以上ある宇宙ごみについては、米国防総省とNASAが追跡しているそうです。たとえば、追跡できない砂利くらいのサイズの宇宙ゴミが船外活動中の宇宙飛行士の宇宙服に穴を開けることも十分ありえる話で、致命的な事故となる可能性は高いです。
今後、宇宙開発や宇宙旅行がどんどん本格化していけば、それと並行してこのような「宇宙ごみ問題」も深刻となるでしょう。早期の対策、それも低コストで決定的な解決策が必要ですね。ゴミばかりの宇宙になる前に。
推定では、直径1mm程度の小さなものまで含めると、宇宙ごみは数百万個以上あるといわれています。